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野球 コラム 2021年5月20日

【横浜好き】すっきりしない先週でも「週刊ベイスターズいいとこどり」5月11日~16日号

野球好きコラム by 大久保泰伸
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左から桑原、宮崎、牧

西日本は記録的に早い梅雨入り。関東地方もぐずついた天気が続く中、2試合が雨天中止、2つの引き分けに2敗と、勝ち星なしに終わった先週のベイスターズ。自力優勝の可能性が消滅したり、復活したり、天気と同様にすっきりしない週だったが、今回もいいとこを探していきましょう。

地元に巨人を迎えた初戦は、終盤までロースコアの接戦になった。先発した大貫晋一は、3回に梶谷隆幸、ウィーラー、丸佳浩を3者三振に打ち取るなど、6回2失点と安定したピッチング。立ち上がりの連打と外国人への不用意な1球が悔やまれる結果となったが、先発としての役割は果たした。

後を継いだエスコバー山崎康晃のリリーフ陣は1イニングずつを無失点。エスコバーが梶谷との対戦で見せた文字通りの「タッチアウト」に、スタンドは温かい空気に包まれた。攻撃陣では、オースティンが本塁打とタイムリー安打で2打点の活躍。桑原将志が2安打1四球で、5打席中3度の出塁とトップバッターの役割を果たした。

終盤の本塁打の打ち合いで引き分けに終わった第2戦は、宮崎敏郎がバックスクリーンに飛び込む2ラン本塁打を含む2安打。8回にはソトがその時点では逆転弾となる2ランを放ち、続く牧秀悟はFA移籍の井納翔一からレフトスタンド中段に飛び込む8号本塁打を放った。守備ではショートの大和が再三の好プレーでいい流れを作った。

投手陣では先発の濱口遥大が初回に3点を失ったが、2回以降は毎回走者を許す苦しい投球も粘りの投球で7回3失点に抑えた。2番手の石田健大は1死1・2塁のピンチを招いたが、2者連続三振で無失点に切り抜けた。

敵地での広島との初戦は、打線がわずか4安打とひと足早い梅雨入り状態の中、大和がこの日唯一となるタイムリー安打で打点を記録。2度目の先発となったロメロが、打者として高いバウンドの内野安打で来日初ヒットを記録した。味方の失策もあり9失点の投手陣では、3番手で登板した国吉佑樹が2イニングで3つの三振を奪うなど、打者6人をパーフェクトに抑えた。

雨天中止を挟んでの日曜日の試合は、打線が16安打を記録しながら、わずか3得点で引き分け。3ラン本塁打を含む3安打のソトを筆頭に、大和、嶺井博希が3安打猛打賞、オースティンが2安打とマルチ安打を記録。

スタメン野手全員安打を記録したが、4併殺と拙攻が目立った。投手陣も10安打を許したが、先発のピープルズが5回2失点と試合をつくり、石田、エスコバー、三嶋一輝も走者を許しながら無失点に抑えた。

2引き分けは、勝ちパターンに持ち込みながら三嶋、山崎がリードを守れず、後味の悪いものとなったが、巨人との試合では、それ以上に気になるプレーがあった。

三嶋があとワンアウトで勝利の場面から岡本和真の本塁打で同点に追いつかれたその裏、2死走者なしで打席に入った桑原の打球は、一塁後方に高々と上がったフライ。ゲームセットと思われたが、一塁手と二塁手がお見合いした打球はライン側に落ちた。

しかし、打った桑原までゲームセットと思ってしまったか、全力疾走を怠り、一塁でストップ。2死とは言え、スコアリングポジションまで走者が進めば、投手へのプレッシャーは段違いであり、明らかに走塁ミスと言うべきプレーだった。

勝てないのは仕方がない。監督1年目で試行錯誤が続いていることもわかる。何より、今季のように、何もかもがうまくいかない時もある。この現実が悲しいんじゃない。入場制限があっても、たとえ無観客の試合でも、必ず見ている人はいる。どんな状況であれ、プロとして一番大事なものだけは見失わないで欲しい。

◆先週のベイスターズ

・11日(火)● 2-4 巨人
・12日(水)△ 5-5 巨人
・13日(木) 中止 巨人
・14日(金)● 2-9 広島
・15日(土) 中止 広島
・16日(日)△ 3-3 広島

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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