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野球 コラム 2021年5月12日

【横浜好き】4カード連続勝ち越しは逃すも活発な打線に充実のリリーフ陣。「週刊ベイスターズいいとこどり」5月3日~9日号

野球好きコラム by 大久保泰伸
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左から桑原、佐野、牧

4カード連続勝ち越しのかかった試合中にスタジアムで火災が発生するなど、文字通り(?)熱い戦いを繰り広げた先週のベイスターズ。惜しくも試合には敗れ、2週連続の週間勝ち越しは逃したが、首位を快走する阪神を相手に一歩も引かない好ゲームを展開した。

バンテリンドームの中日戦と横浜スタジアムの阪神戦、2つの“鬼門”で3勝3敗の五分の成績に終わった5月第2週の『週刊ベイスターズいいとこどり』。今週もいきましょう。

息詰まる投手戦となった中日との初戦では、今季初登板となった先発のピープルズが、6回無失点と文句なしの投球。ピープルズは攻撃でも3回に相手エラーで出塁し、オースティンの内野ゴロの間に先制点となるホームを踏んだ。

後を継いだリリーフ陣は、7回のエスコバーが2奪三振で三者凡退。8回の山崎康晃は4月4日以来となる失点で1点を奪われたが、最終回は三嶋一輝がクリーンアップを抑えて試合を締めくくった。野手では佐野恵太が6回に貴重な追加点となる3号ソロ本塁打を右中間スタンドへ高々と打ち上げた。

前日とは一転して両チーム合わせて20安打の打撃戦となった第2戦では、昨年の沢村賞左腕の大野雄大から、佐野が2試合連続本塁打を含むマルチ安打。リードオフマンの桑原将司も2安打、ソトが今季3号となる3ラン本塁打を放った。

投手陣は先発の大貫晋一が3回8失点で降板したが、4回以降は伊勢大夢国吉佑樹が2イニング、シャッケルフォード三上朋也の4投手が無失点に抑えた。

3カード連続勝ち越しをかけた第3戦は、先発した濱口遥大が緩急自在の投球で6回まで8つの三振を奪って無失点。7回以降はエスコバー、山崎、三嶋の“勝利の方程式”が中日に反撃を許さなかった。0-0の5回には佐野が好返球で本塁封殺し、相手の先制点を阻んだ。

打撃陣は前回の対戦で、あわやノーヒットノーランの快投を許した勝野昌慶を攻略。オースティン、佐野、牧秀悟のクリーンアップが揃ってマルチ安打を記録したが、打点を挙げたのはいずれも代打で登場した桑原と山下幸輝。ともに2点タイムリーを放って2人で全得点を叩き出した。

4月のハマスタでは3連敗を喫した阪神との3連戦は、初戦に14安打12得点と打線が爆発。ソトが3安打2打点、宮崎敏郎も3安打3打点と猛打賞を記録し、桑原が終盤に2打席連続タイムリーで3打点。オースティンは決勝本塁打と2四球、スタメン捕手の嶺井博希と代打で登場した山下も打点をマークした。

投手陣は2番手で1回無失点の石田健大と、満塁のピンチを最少失点に抑えた砂田毅樹にホールド、勝ち越しを許さなかった三上が今季初勝利をマークした。

来日初先発のロメロが、5回4失点とホロ苦デビューとなった第2戦は、2番手以降の国吉が2イニング、砂田、三上が無失点と好投。攻撃陣では、牧が完封負けを阻止する4月17日以来となる本塁打を放ち、好調のオースティンが2安打で打率を3割に乗せた。

1点を争う好ゲームとなった第3戦は、中5日での先発となったピープルズが5回途中4失点で降板したが、2番手以降の三上、石田、エスコバー、山崎、三嶋の5投手が阪神に追加点を許さなかった。

打線はリードオフマンの桑原が本塁打を含む3安打猛打賞。ソトが2本の二塁打を放った。ピープルズも3回に先頭打者として二塁打を放ったが、続く無死1、3塁のチャンスで得点できなかったように、好機であと1本が出なかった。

4カード勝ち越しは逃したが、活発な打線に充実のリリーフ陣と、ベイスターズの戦いぶりは開幕当初と比べると格段の違いがある。ただ、気になるのは故障者が続出していること。守備で味方と交錯した柴田竜拓が左肩を脱臼し、坂本裕哉入江大生、三上は立て続けに打球直撃で登録抹消。

先発投手も平良拳太郎阪口皓亮が右ひじ痛で離脱した。さらに阪神との第3戦では、一塁にヘッドスライディングを敢行した倉本寿彦が左手薬指の第2関節脱臼、中節骨剥離骨折で戦線離脱となった。

主力選手の離脱はチームの勢いを削ぐ事になるが、ある程度の故障者は避けられないものでもある。長いシーズン、予想もできぬ不運はあるけれど、とにかく前を向いて進むしかない。

◆先週のベイスターズ

・3日(月)◯ 2-1 中日
・4日(火)● 4-8 中日
・5日(水)◯ 4-0 中日
・7日(金)◯12-6 阪神
・8日(土)● 1-4 阪神
・9日(日)● 2-3 阪神

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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