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野球 コラム 2021年3月25日

【楽天好き】ついに開幕!キーマンは「修正の達人」田中将大

野球好きコラム by 松山 ようこ
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ついにプロ野球が開幕する。今季は例年どおりの143試合。昨季は新型コロナウイルスの影響で120試合(それでもすごいことだが)だったので、野球不足だったファンには喜びもひとしおだろう。

しかも、今季の楽天はなんと言っても田中将大という大スターが復帰。球界の識者たちが、ソフトバンクと並んでシーズン優勝候補に楽天を挙げている。

開幕前から下馬評がここまで高いのは、球団創設以来初めてとも言える。それは期待するに十分な戦力が整っているからこそだが、その戦力をGMとして辣腕を振るって整えてきた石井監督自身が、「ネガティブなのでそうは思いません」と兜の緒を締めているのも、逆説的ながらさらに期待が高まる。

今季の一番の変更点は、新型コロナウイルス対策のため、全試合が9回までとなること。勝っても負けても同点でも、9回で打ち切りになる。そのため、チームの戦い方も変わってくる。コロナ禍の有事で致し方ないとはいえ、開幕直前に決まった決定だ。

どのチームにも少なからず動揺も走ったと思われるが、楽天には安心感すら漂う。というのも、どんな時もマイペースらしい石井監督が、変わらずどっしりと落ち着いて見えるからだろう。

思えばこれも、キャンプ中から同監督が繰り返し言っていた「想定外やイレギュラーなことが起きた時に、どれだけ対応できるかが重要」を体現しているようで心強い。

チーム最大のカギは、まず誰がどう見ても田中。日本球界復帰の初年度ということで、なおも修正に苦労はある様子。

パ・リーグのみならず野球界、スポーツ界すべてから注目を集めているので、なかには「今年はちょっと苦しいのでは」と言った意見も稀に(というのがすごいけれど)見られるが、ほとんどの識者が言うように「大丈夫」「問題ない」と思われる。

思い出されるのは、メジャー初年度に田中が毎回のように修正を重ねて、周囲の雑音を鎮めていったこと。ついには現地実況やメディアから「Mr. Adjustment」(修正の達人)と呼ばれるようにもなり、その順応性が高く評価された。

しかも、全米レベルの人気を誇る名門ヤンキースに移籍したことで、折々でとてつもない注目をされ、賛否が渦巻くなかで結果を出していったのだ。

どの球団からも田中は徹底マークされているだろう。だが、この点についても、今までが生き馬の目を抜くようなデータ帝国であるメジャーリーグで実績を出してきたのだから、大丈夫だろうと思えるのだ。

それに何より、楽天には日本球界で輝かしい実績を収めてきた涌井秀章、岸孝之、則本昂大。そして、ルーキーの早川隆久はじめとする未知数の可能性を秘めた仲間の投手陣が居並ぶので、田中1人だけに負荷がかかることもない。ファンの応援を力に気持ちよく、調子を上げていってもらいたい。

楽天の開幕投手は、昨季の最多勝投手である涌井が務める。田中は2戦目、3戦目に注目のドラフト1位左腕・早川が登板する予定。今季から守護神に復帰する松井裕樹、キャンプ中に支配下と開幕一軍まで勝ち取った渡邉佑樹もカギになりそうだ。

野手陣も言わずもがな楽しみだ。オープン戦で、打ちまくって首位打者(打率.400)となった島内宏明はコメント(談話)も毎回ますます面白いし、続く同2位(打率.385)には辰己涼介が名を連ねていたり、守備でも田中和基がスーパープレーを見せたりと、チーム内の随所で機運の高まりが感じられる。

個人的には、石井監督のコメントも毎試合楽しみだ。「常識に囚われない」を有言実行し、独特の語り口でユーモアがあるうえ、時にはメディアを通じて、自身のコメントの影響を織り込み済みで話しているようなところは、どこか野村克也さんを思い出させる。

文:松山ようこ

松山ようこ

松山 ようこ

フリーランス翻訳者・ライター。スポーツやエンターテイメント関連コンテンツの字幕翻訳をはじめ、Webコンテンツ、関連ニュース、企業資料などの翻訳や制作を請け負う。J SPORTSでは、主にMLBや侍ジャパンのほか、2015シーズンより楽天イーグルスを取材し、コラムやインタビュー記事を担当。野球の他にも、幅広くスポーツ選手はじめ著名人を取材。Twitter @yokobooboo

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