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昨季のMLBでは、ダルビッシュ有と前田健太がエースとして出色のパフォーマンスを見せ、シーズン終了後のサイ・ヤング賞投票で、揃ってそれぞれのリーグで2位に入ったのは記憶に新しいところ。
今季は日本人選手初のサイ・ヤング賞受賞へ、この2人に大きな期待が寄せられるであろうし、ひとたびレギュラーシーズンが開幕すれば、この2人が登板する試合をテレビ桟敷で観戦する際は、今季こそはサイ・ヤング賞と、応援に力が入ることになりそうである。
実際、『MLB.com』が発表した今季の最優秀防御率予想(前田とダルビッシュ)や、最多奪三振予想(ダルビッシュ)には、この2人が名を連ねており、現地でも両右腕に対する今季の期待値は高い。
昨季の出来を考えれば、これは当然とも言える、かなり手堅い予想なのだが、さらに同サイトはここへ来て、「この10人のサイ・ヤング賞候補に関する即断を避けるな」と題した、今季のサイ・ヤング賞予想に関する記事を掲載し、その1人として別の日本人選手を候補に挙げているのである。
まず記事では、昨季サイ・ヤング賞を獲得したシェーン・ビーバーとトレバー・バウアーについて、「両者とも既に高く評価されている投手だが、昨季は両者ともそれぞれのリーグにおける同賞の本命ではなかった」とした。その上で、「ダークホース」として、各リーグから5人ずつ選出する形で10人をピックアップ。
3年目の飛躍が期待される
そして、アメリカン・リーグからサイ・ヤング賞予想のダークホースとして、トリストン・マッケンジー、ヘスス・ルザルド、ディラン・シース、そしてザック・プリーサックと並び、菊池雄星が選ばれたのである。
ここ2シーズンの成績を振り返ると、失礼ながら意外なチョイスと思ってしまうが、記事では昨季9試合に先発して、防御率5.17だった菊池について、「キクチは2年目に、目に見えないところで大きな進歩を遂げた」とした。
「彼はフォーシームに球速と縦の変化を加え、この球種での空振り率をほぼ倍増させた一方、レパートリーに効果的なカットボールを加え、改良したスライダーの空振り率を劇的に上昇させた」と評価。
その上で、「キクチは完全に別の投手に見えた」とし、「彼はゴロ率50%以上と、奪三振率24%以上を記録した8人の投手から成る優秀なグループの一員」と、具体的なスタッツで菊池の進歩を示した。
さらに「FIP(3.30)とxERA(3.37)は、彼が断然良い防御率の投手に相応しいことを示しており、彼の制球力がもう一段進歩すれば、彼には第一線の先発投手に浮上するチャンスがある」と結論付けた。
現地識者の間では、左腕による3年目の飛躍への期待値も高いようだ。
※FIP:守備が関与しない奪三振、与四死球、被本塁打から投手を評価する「疑似防御率」と言える指標
※xERA:奪三振、四死球、打球の初速と角度などから算出される予想防御率
J SPORTS 編集部
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