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野球 コラム 2021年3月19日

どのジャンルでも1番を目指すバッティング 吉田正尚選手インタビュー

野球好きコラム by J SPORTS 編集部
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昨シーズン、ハイレベルな戦いを制して勝ち取った首位打者のタイトル。フルスイングしながらも高い打率を残し、三振が少なかった秘密。そして目指すべき理想のバッティングについて聞いた。また、延期になった東京五輪についても、その思いを語ってもらった。(取材日:2021年2月中旬)

◆首位打者のタイトル獲得と目指すべきバッティング

吉田正尚選手

―― 昨年は首位打者でした。今年、こだわっているタイトルはありますか?
(吉田) 数字の面はあまり決めていません。本当にこれというのはなくて、どのジャンルでも1番を目指してやっていくことが大事なことです。それはチームとしても、個人としてもいいこと。ホームランを目指して、三振が増えるのではなくて、出塁もしながらホームランも長打も増やす。どこかを減らしてリスクを背負って、他を上げるという考えはなくて、全てで1番を目指してやっていきたいです。

―― 自分のバッティングを目指す中で、獲れそうなタイトルがあればということですね。
(吉田) そこは兼ね合いもあります。打率は変動する部分でもありますし、打点や本塁打は下がることはないので、自分のモチベーションにもなります。

―― 3割5分の高い打率もですが、三振の少なさ(29個)にも驚きました。
(吉田) 過去3年間で、追い込まれてからの打率が少し低かったので、追い込まれてから自分がどうしたら、どういう形でアプローチしたらいいのかを考えました。そうした時に、技術的に逆方向にヒットゾーンを増やしていくことによって、バッティングの視野も広がりました。変化球でも粘って、ボールを長く見る。そうすることで少し確率が上がりましたし、それをシーズン通して継続できました。

―― 2ストライクを取られてからの打率も3割を超えています。
(吉田) 野球はカウントがあって、そのカウントによって打つ確率は絶対に変わる。2ストライクになると、確率は下がるのは当然なので、そういうところで3割を打てたのは大きかったと思います。

―― 新シーズンに向けてバッティングフォームを変えた部分はありますか?
(吉田) 変えたというより、自分の中で常にいいものをやっていきたいという考え方なので、特別こう変えたではなく、自分が今一番いいもの、いいスイングができるように考えています。

―― 吉田選手が突き詰める理想のバッティングはどんなものですか?
(吉田) バッティングは本当に奥が深いです。いろいろな打ち方がありますし、本当に答えがないと思っています。タイミングももちろん必要です。僕の中で理想のスイングはホームランになるスイング。やはりホームランが打てるということは、たまたまもありますが、しっかりしたスイングでボールを捉えて、芯に当てる確率を上げて、さらに角度をつけてスタンドまで運ぶ、これは誰もができる技術ではないと思います。
全部を捨ててホームランだけにいくのではなく、高い打率も出塁率も残しながら、ホームランもあげていくということをこだわってというか、そういう考え方ですね。

◆東京五輪では重圧を感じてプレーしたい

吉田正尚選手

―― 東京五輪が延期されましたが、日本代表に対する思いはいかがですか?
(吉田) やはり、オリンピックが東京でできる、こんな巡り合わせはないと思います。年齢的にもいいですし、ぜひプレーしたいという気持ちです。日の丸をつけて国歌を歌う、そのプレッシャーや緊張感は、その場に立った人にしかわからないことです。その場に立ちたいし、経験したいし、そこで活躍したいという気持ちがあります。

―― そこでしか見えない景色を感じて、チームにフィードバックできればいいですね。
(吉田) 僕もそうですが、みんな高いレベルでやりたいという気持ちはあると思いますし、そのためには結果が必要です。数字を出していかないといけない世界なので、そこはシビアにやっていきたいですね。

―― 最後に今シーズンに向けての意気込みとメッセージをお願いします。
(吉田) チームとしては優勝。優勝したら25年ぶりですね。ファンのみなさんが待ちくたびれていると思うので、必死に戦っていきます。そのためには個人個人がベストを尽くして、その1試合にしっかり勝ちに向かって戦っていく。その姿勢をファンの方々に見せたいですし、その姿を見て応援したいと思えるチームになっていかないといけない。
こういう状況ですが、足を運びたいとか、テレビで応援したいという気持ちに少しでもなるようなゲームをたくさんできればいいと思っています。

取材:J SPORTS

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吉田 正尚(よしだ まさたか)プロフィール
右投左打の外野手。1993年7月15日生まれ。福井県福井市出身、敦賀気比高校から青山学院大学へ進み、2015年のドラフト1位でオリックス・バファローズに入団。1年目の開幕戦で「1番・指名打者」として、スタメンで一軍公式戦にデビュー。2018・2019年は打率3割2分以上、25本塁打以上、打点85以上をマークし、2019年11月に開催された「第2回WBSCプレミア12」では日本代表として出場。2020年シーズンは、打率.350で初の首位打者を獲得。パ・リーグを代表するバッターの1人。
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J SPORTS編集部

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