【広島好き】ゴッホ向井ブルーの「中神拓都、韮澤雄也の『ガミニラ』コンビに大注目！」

日南市天福球場

3月1日、カープのキャンプも一軍、二軍とも、ついに最終日を迎えました。今年は二軍がキャンプをしている日南市天福球場に、何度も足を運ばせていただきました。

若鯉たち1人1人が、どうしたら目立てるのか、どうしたらアピールを出来るのか。考えながらバットを振り、ボールを追っかけています。

そんなグラウンドで、チームの全体練習が終わり、居残り組の中でも一際大きな声を出して、超キツイ練習を泥だらけになりながらも楽しんでいる選手がいました。

中神拓都選手です。今年でプロ3年目のキャンプを全力で駆け抜けていました。彼の魅力はとにかく「元気、声、明るさ」です。以前、この『声出し』について本人に伺ったことがあります。

ゴッホ「練習や試合中の声出しというのは意識していますか？」。

中神選手「はい。自分はまだまだ野球が下手なので、声を出して1つでも目立てるよう意識しています。キツいときこそ元気を大事に。そうすればきっと内容が濃くなる、楽しくやれる、そう思って頑張っています」。

ただ、ガムシャラに声を出すのではなく、しっかりと考えていました。

中神選手の声出しはチーム全体が明るくなるのはもちろんのこと、自分の野球に対する内容が濃くなる。気持ちでヒットが1本出るかもしれないし、球際に強くなるかもしれない、真っ直ぐ話す彼の目を見ると、本気でそう思わせてくれました。

ちなみにたまに見ていて、笑っちゃうぐらい声が出ているときがあります。先日聞いた「おっけ～い！！ナイスファースト～！！」の声なんて、ほぼサンシャイン池崎さんでした。

そんな魅力的な長所は先輩・安部友裕選手からも一目を置かれている存在です。

安部選手は「中神はなかなか良い覇気を持っている。」と褒めていました。しかし、本人にどれくらいの覇気を持っているのか聞いてみたところ「安部さんの覇気は凄いです、僕なんてまだまだ75％くらいの覇気です」と謙虚覇気でした。

そんな中神選手ですが、覇気100％大丸出しで練習に取り組んでいる日がありました。それは2月20日のヤクルトとの練習試合で、中神選手が猛打賞を記録した次の日です。

練習中に西川龍馬選手からも「昨日打ったから元気なんか？」と早速いじられていました。後から中神選手本人にこの事を聞いたところ「えっーと……そうです（笑）」と答えてくれました。

ちなみにこの猛打賞の日のことを東出コーチに聞いたところ、「今日までずっと中神を見てきたけど、昨日の中神の打席、初めて4打席全部良かった！」と絶賛されていました。このときの嬉しそうに中神選手の話をされる東出コーチの表情が印象的でした。

そんな成長を見せられている今年のキャンプを見ていて、去年を思い出しました。昨年のキャンプでは同期で同い年の林晃汰選手、そして羽月隆太郎選手との3人がまるで兄弟のように常に行動を共にし、玉木コーチに毎日鍛え上げられていました。

しかし、今年はその2人が春季キャンプを一軍で過ごしています。そこでグラウンドを見ていて気付いたのは、後輩の存在でした。サードでノックを受ける中神選手の隣を見ると、セカンドのポジションで1年後輩の韮澤雄也選手が『有望株』と呼ばれながらノックを受けていました。

このとき中神選手は先輩・三好匠選手の守備を後ろから見て勉強し、後輩・韮澤選手には「ニラが今のは無理！取れない！ってボソボソ文句言っていますよー！！ニラ～言い訳する前に足動かせよ～！」と大絡みしていました。

この中神、韮澤の『ガミニラ』コンビの絡みを見て、笑いながらツッコミをいれながら高信二監督と山田和利コーチがノックを打つ。これはまさに「楽しく、上手くなる」と感じられる練習空間でした。

『有望株』と呼ばれる後輩・韮沢選手の前で、難しい打球の捕球を見せた中神選手に対し、高監督と山田コーチが「おお！もしかしてお前が今年のキャンプの成長株なんか？」「有望株に負けてられんな～、成長株～！」と煽り、それに中神選手が「そーです！そーです！俺が成長株でーーす！！」と大声で返していました。

そんな今年のキャンプの成長株に、今シーズンの目標を聞かせていただきました。

中神選手「やっぱり、一軍です。同期の小園や羽月たちはみんな一軍の舞台に立てていて、僕だけまだなんです。絶対に抜いてみせる、絶対に一軍に上がってやると毎日思いながら練習を頑張っています」。

そこにあったものはやはり「尊敬する同期たちへのライバル心」でした。近い将来、お立ち台で「覇気で打ちました！」と、大きな声でマツダスタジアムのカープファンに挨拶をする中神選手の姿を見られる日を楽しみに、これからも応援しています。

きっと中神選手なら、その姿を我々ファンに見せてくれることでしょう。

文：ゴッホ向井ブルー