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10年目の投手・釜田佳直は、入団以来ずっと楽天ファンにとって特別な存在だ。
2012年のルーキーイヤーは20試合に先発し、要所で胸のすくような快投を披露。チームを牽引しながらワクワクさせてくれた記憶が刻まれている。
だから、その後の長きに渡るケガとの戦いはずっと気になってきたし、復活する度にファンの心を揺さぶってきた。
そんな釜田が、今年からつける背番号は「41」。楽天の歴史をつくってきた青山浩二が昨年まで背負ってきた番号を引き継いだ。
トミー・ジョン手術をはじめ、肘に4度、肩に1度と計5度の手術を乗り越えた釜田は、昨季は本格的にリリーフとして二軍で活躍し、セーブ王にも輝いた。
再びの復活が期待される右腕に、第2クールが終わった後、リモート取材したのでお伝えしたい。
―― 背番号「41」のユニフォームを着てみた実感は?
自分では背中の番号は見られないからか、あんまり違和感なくやっています。でも、周りの人には「まだ見慣れない」って言われますね。
―― 背番号を引き継いだ経緯と思いを教えてください。
球団から連絡をいただきました。青山さんがつけられていた番号なので、すごく光栄に思います。青山さんは楽天の歴史と共に歩んで来られた方。引き継ぐこととなって、青山さんみたいなピッチャーになりたいと率直に思いました。
―― 昨シーズンは、ファームでセーブ王になりました。
ぼくも今年で10年目。年数を考えると、9年目にファームで獲ったタイトルなので、複雑な気持ちでもありました。もちろんタイトルを獲れること自体はいいことだと思うんですけれども、やっぱり自分の立場を考えると、一軍でしっかり投げていかないといけないので。
―― ファームでは29回を投げて35奪三振と三振が多かったのですが、何か変えたことはありますか?
投球スタイルを特別に変えたということはないですが、自信のある球を優先的に使って、投げることができたので、三振の数に繋がったのかなと思います。
リリーフを本格的に1年通して投げたのは、去年が初めてでしたが、やはり三振はリスクのないアウト。それは、リリーフをやる前から松井(裕樹)のことを見て思っていました。ずっと抑えでやっていた彼のそういう部分を、自分にも重ね合わせながら、ああいう風に投げていけたらと思ってやっていました。
―― 肩や肘に不安はないのでしょうか?
手術をしているので、ゼロというわけにはいかないと思っています。うまく付き合っていくしかないのかなと。でも、引き出しも増えていて、その日その日によって、自分の身体に合った投げ方や意識の仕方を工夫しています。手術をして気づけたことも多くあるので、マウンドで活かしていくことが大事と思っています。
―― 気づいたこと、糧になったこととは?
何よりもマウンドに戻るたびに、野球ができていることを幸せに感じます。もう一度マウンドに上がるため、リハビリも頑張れました。とにかくこうして野球ができていることに感謝。そのことを強く感じています。今、この時を大切にして、これからもやっていきたいと思います。
―― 今シーズンの目標を教えてください。
とにかく10年目。節目となる年なので、1年間一軍で戦力になれるよう、しっかりと結果を出せるよう頑張りたいと思います。
文:松山ようこ
松山 ようこ
翻訳者/ライター/インタビュアー。主にスポーツやエンタメ分野にて実績多数。野球はプロ野球からMLB、他にもマイナースポーツからオリンピック大会まで、国内外の競技場や大会での現地取材を数多く経験するスポーツ好き。アスリートはじめ、一般人から著名人まで幅広くインタビューし、日本語と英語ともに記事やコラムにする。訳書『ピッチングニンジャの投手論』『ベイダータイム』。 ※『ピッチングニンジャの投手論 PitchingNinja's analysis of Japanese MLB Aces』 ※『VADER TIME ベイダータイム: 皇帝戦士の真実 』
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