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野球 コラム 2021年2月4日

【中日好き】福留孝介、代打だけのつもりはさらさらない!

野球好きコラム by 森 貴俊
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2007年以来となるドラゴンズのユニフォーム

沖縄、読谷球場。若竜たちと共にドラゴンズの福留孝介はいる。プロの第一歩を飾ったユニフォーム、白と青が鮮やかに映える。違和感は全くない。実績十分の大ベテランも、心なしか若返って見える。

キャンプ前、ナゴヤ球場を訪れた福留はこう話していた。

「懐かしいな。なんかフワフワした気持ちですよ。全然知らない所へ来た感覚です。改めて年月が経ったな。僕も歳を取ったなって感じています」。

冗談交じりに話す福留の表情には喜びが溢れていた。メジャーに挑戦する前、ドラゴンズで共に戦ったメンバーは山井、藤井、平田、福田、堂上の5人のみ。主力選手は所々で交流があるが、半数以上の選手は“初めまして”だ。

福留は「背番号と顔を覚えるので必死ですね。できるだけ僕から話すようにして、この選手はこんな感じだなって、お互い理解しあえればいいなと思ってやっています」。

若い選手との壁を自ら取っ払い、コミュニケーションを深めている。

福留孝介ならば、ドラゴンズに多くの経験をもたらしてくれる。若い選手へのいい教材になる。そして勝負所での存在感は絶大。しかし、福留孝介の言葉を聞き、自分の勘違いに気づいた。

福留は「勝負所のここ一番で。と言われますが、正直、代打でいいとは思っていませんね。最初から代打だけのつもりは、さらさらない。隙あらばスタメン獲ってやるって思いですよ。現役の選手ですから」。

「プレーボールの時にグラウンドに立っていたい気持ちは絶対に捨てない。代打1本の思いに収まってしまうと、僕自身もっと落ちて行ってしまう。だからスタメンを狙う気持ちでキャンプもします」。

現役のプレーヤーである以上、福留の基本線は変わっていない。守って走って、そして打つ。勝手に若竜の先生役に抜擢してしまいがちだったが、福留自身そうではないのだ。以前、ドラゴンズ山井大介はこんな話をしていた。

「今、いろんなスーパー高校生がプロに入ってきて、みんな凄いなって思うんですが、僕の中でのスーパーは福留さん。高校生の福留孝介を見た時の衝撃は今でも忘れられない。高校生のホームランじゃなかったですよ。まさにバケモノ」。

「ああ、こういう選手がプロで活躍するんだなって。プロ入り後、同じチームになってキャンプやっていても、あの福留孝介でもここまで練習するのかって、本当に驚いた。だから野球に対する姿勢とか、練習に対する貪欲さはうちの若い選手にとって間違いなく財産になりますよ」。

スタメンへの意欲を語る一方で、福留自身もドラゴンズに帰ってきた役割はしっかり理解している。

23年目のシーズンを迎える

「このチームが優勝する為に、勝つ為に僕に何ができるのか。できる事は全てやります。僕の考えが必ずしも正しいわけじゃない。でも、間違った考えで固まってしまっている選手もいる。その方向を正してあげたり、その選手に合う方法や感覚の手伝いはしてあげたですね」。

2月1日ドラゴンズのキャンプが始まった。“優勝を狙う“この言葉に現実味を帯びるシーズンだ。福留孝介がもたらす化学反応は果たして何色なのか。沖縄の空には今日もドラゴンズブルーが広がっている。

文/写真:森貴俊(東海ラジオ)

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森 貴俊

1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!

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