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野球 コラム 2020年12月23日

【中日好き】勝野昌慶、5敗の価値

野球好きコラム by 森 貴俊
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吉見の引退登板Tシャツを着る勝野

勝野は元々、身体が硬かった。柔軟性が不足する中で爆発的な力をボールに伝える。結果、腰へのダメージが大きくなっていた。処置後、柔軟性を高める事に重点を置いた。腰へのダメージを軽減させるフォームの入手に全力を注いだ。どん底からわずか1か月で勝野は復活ロードを歩みだした。

「投げ始めてすぐ行けると思いましたね。リハビリが明けて投げている感覚が別物だったんです。これは150キロすぐ出るぞって。手応えがあったからこそ、結果が出なければやばいなって思うくらい感触は良かった。腰にストレスを感じて動いている事もなくなったんです」と話す。

そんな勝野も夏を越した所で故障期間の反動が来た。スタミナ切れだった。フォームを崩し、平均球速は143キロまで落ちた。

「野手からもテンポが悪いなって。フルカウントが多いし、少し先を見すぎた部分はあります。長いイニングを投げたい意識が強すぎて、フォームもバラバラでスピードも出ない。自分を見失いました」。

勝野は門倉2軍投手コーチの言葉に救われた。「1イニングを積み重ねろって言われました。1イニングを全力で行って、それでバテたらしょうがないぞ。お前はそういうタイプなんだ。先はまだ考えなくていい。6回まで全力イニングを続けてみろ。それがお前の投球に合うはずだって」。

「確かに大野雄大さんが凄いピッチングされてて、自分もああなりたいって気持ちもありましたが、今の自分にはまだ無理。1試合のバランスを考えすぎていたかなと思いましたね」。

自分のピッチングを取り戻した勝野だが、最後の登板は野球の神様が課題を与えた。

11月4日ナゴヤドームDeNA戦。勝野は好調だった。4回まで1安打投球。5回にソトにソロホームラン。6回にロペスに同点の3ランを浴びリードを吐き出した。

「イケイケ、押せ押せではダメですね。試合後、柳さんにも言われました。いい時ほど慎重にいかないといけないと。もったいない失点でしたね。投球テンポ、立ち上がり、スタミナ、配球、精神状態、状況判断……。やる事は山積みですね」。

Aクラスに入ったドラゴンズには来季への期待が膨らむ。その期待値を上げてくれるのは成長戦力だ。勝野昌慶は間違いなくその1人だろう。勝野にとって4勝は大きな前進。しかし、勝野は勝ち星以上に多くを学んだ。来シーズンに向けた5敗の価値は計り知れない。

文:森貴俊(東海ラジオ放送)

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森 貴俊

1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!

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