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野球 コラム 2020年12月21日

【広島好き】躍進した若鯉たち 広島東洋カープ・森下暢仁 投手 「自分が投げる試合は全部勝つ」

野球好きコラム by J SPORTS 編集部
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2020年、広島東洋カープは5位と苦しいシーズンを送った。しかし、その中でも活躍を見せたのが、ルーキーイヤーとなる森下暢仁投手。開幕ローテーションに入り、チームの勝ち頭となる10勝(3敗)、さらにリーグ2位となる防御率1.91を記録し、セ・リーグの新人王に輝いた。

そんな大活躍のルーキーイヤーを振り返り、「坂倉将吾捕手とのコミュニケーション方法」「こだわりの数字」「理想の投手像」など語ってもらった。

森下暢仁投手

―― 素晴らしいシーズンだったと思いますが、ルーキーイヤーを振り返っていかがですか?
(森下) 出来過ぎかなと思います。

―― 自己採点ではいかがですか?
(森下) 100点くらいです。

―― 完璧ですね。
(森下) 自分ではそう思っています(笑)。

森下暢仁投手

―― 素晴らしい数字でしたが、特に「ここにこだわった」という部分はありますか?
(森下) 規定投球回と2桁勝利は意識していました。

―― 先ほど、今シーズンは100点だと言われましたが、100点になった一番の要因はなんでしょうか?
(森下) 野手のみなさんが毎試合点を取ってくださるので、その中で絶対ゼロで抑えるという強い気持ちを持つことができました。後ろで守っている人たちを見ると、安心感が全然違います。それで自分の投球ができたのが一番大きかったと思います。

―― 森下投手を勝たせてあげたいという空気を感じます。
(森下) 本当に1球1球、投げるたびに周りを見ますが、投げやすいというか、ちゃんと守ってくれているという安心感が強いです。

―― 森下投手は無死満塁とか、一死満塁の場面をよく見るのですが、でもそこをズバッと抑えて、歓声があがる。その時はどんな気持ちで投げているのですか?
(森下) 「やばい、満塁作っちゃった」という思いで(笑)。最初は「ノーアウト満塁か、最悪だな」という感じですが、バッターに向かっていくというか・・・。

―― ギアが上がりますね。
(森下) この回、なんとかゼロでいけたらいいなという思いで、スイッチが入ります。

―― 弱気な自分も出るが、そこから切り替えられるということですか?
(森下) 「ああ・・・」という気持ちになりますが、ノーアウトの時だったら、絶対三振を取ろうという思いはあります。

―― ピンチを切り抜けてベンチに帰っていく時の気持ちを教えてください。
(森下) その時は歓声が全然違うので、流れがこちらに来るんじゃないかと思いますし、気持ちいいです。

森下暢仁投手

―― 今シーズンはエース不在、主力の調子も上がらない中、ファンの期待を一身に背負っていましたが、その辺りはどう感じていましたか?
(森下) 1週間に1回しかマウンドに登れないので、与えられた場所で仕事をするという意識でマウンドにあがっていました。特に負担にもならず、周りの先輩方にも声をかけてもらっていたので、やりやすかったです。

―― こういうピッチャーになりたいなど、描いているものはありますか?
(森下) やはり、球界を代表できるような選手になりたいです。プロ野球を見ている人が「このピッチャー、すごいよね」というような選手になりたいと思います。

―― 具体的にどんな形のピッチャーですか?
(森下)「セ・リーグのピッチャーで言ったら誰?」と言われたときに名前が上がるような選手になりたいですね。やはり、勝つことが一番だと思うので、しっかり自分の与えられたところで結果を残すピッチャーでありたいと思います。

―― 森下投手にとって勝つとはどういうことですか?
(森下) 勝つことでチームが救われると思うので、自分が投げる試合は勝つ気持ちでいます。

―― 投球術はどうやって勉強していますか?
(森下) プロ野球に入って、會澤さんだったり坂倉だったりが、勉強・研究しているのを感じて、インコースの使い方だったり、変化球の使い方が大事だなと。それで自分もイメージしながら投げています。

―― 初登板のときから會澤捕手のサインに首を振りました。ルーキーなのにすごいなと思いました。
(森下) 自分が投げたい球の方がうまくいくこともありますし、失敗したら申し訳ないというのもあります。やはり、自分がこれでいきたいと思った球を投げた方が、思い切り腕が振れるので、投げたい球があるときはしっかり首を振ります。

―― 例え、それで打たれても自分が投げたいボールで失敗した方が次に繋がるということですか?
(森下) そうですね。そう思ったときにキャッチャーのリードで投げればよかったと思うので、反省があって次に繋がるのでいいと思います。

―― 坂倉捕手とはどういう感じですか?
(森下) お互いが意見を言えるので、やりやすいです。坂倉は自分の思ったことを伝えてくれる。自分も「そうだな」と思うことがたくさんあるので、いい関係だと思います。バッターに対して次の回はこっちから入っていこうとか、どの球を使おうとか話しますね。

―― 改めて、2年目に向けて意気込みをお願いします。
(森下) 来年は今年よりも勝てるようにがんばります。

―― 2020年は10勝でした。何勝いきましょうか?
(森下) 11勝でお願いします(笑)。

―― 今、笑いを取りに来ましたか?(笑)
(森下) はい(笑)。

―― リアルなところでは何勝を狙いますか?
(森下) 13・・・。10勝より多く勝ちます!

「広島東洋カープ 2020シーズンレビュー 躍進した若鯉たち」では森下暢仁投手・坂倉将吾選手の独占インタビューを交えて今シーズンを振り返ります。さらに解説者・達川光男氏が、新人離れした森下投手の究極のピッチングを徹底解剖!

放送/配信情報はhttps://www.jsports.co.jp/baseball/carp/

森下暢仁投手

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森下暢仁(もりした まさと)プロフィール
1997年8月25日生まれ。大分県大分市出身。右投右打。大分商業高校時代は夏の甲子園で、1年生ながら控えとしてベンチ入りするも出場機会はなかった。明治大学進学後、1年生から東京六大学リーグ戦で登板。通算13勝9敗、防御率2.78。4年生では主将を務め、全日本大学選手権で優勝を果たした。
2019年のドラフト会議で広島東洋カープから1巡目で指名。背番号は前田健太などがつけていたエースナンバーの「18」。2020年のルーキーイヤーは開幕ローテーションに入り、10勝3敗の好成績。防御率1.91は新人で54年ぶりの1点台となった。

取材:J SPORTS

J SPORTS編集部

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