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野球 コラム 2020年12月18日

中日ドラゴンズ・大野雄大 投手インタビュー 第1回 「大野が投げる試合は勝たないといけない」と思われるように

野球好きコラム by J SPORTS 編集部
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新型コロナに翻弄された2020年のプロ野球。中日ドラゴンズの大野雄大投手も序盤は調整不足に悩まされ、開幕から6試合勝利がなかった。しかし、そこから5試合連続完投勝利や、45イニング無失点など圧巻のピッチングを見せる。

インタビューの第1回は、開幕序盤にエースとしての働きができなかった時の心境や、開幕連勝中の菅野智之投手(巨人)と投げあって感じたことなどを語ってもらった。

大野雄大

◆苦しんだシーズン前半、開幕から6戦勝ちなし
―― 2020年を振り返っていかがでしたか?
(大野) 個人成績としては想像していなかった、素晴らしい成績を収められたと自分でも思っています。

―― コロナ禍という特殊なシーズンでした。
(大野) 開幕できるかどうか、正直わからなかった中でなんとか開幕できましたが、最初の方は調整不足でした。シーズン前は2日に1回の練習だったり、思うような投げ込みや調整ができなかったので、開幕しても本調子ではなかったですね。

―― 開幕投手になり、それから6試合勝ち星がつかなかった時の心境はいかがでしたか?
(大野) 開幕を任せてもらった投手としては、ダメだと思っていましたし、自分が勝たないとチームが乗っていかないと感じていたので、申し訳ないという気持ちでした。

―― 初勝利の時はいかがでしたか?
(大野) 初勝利が完投した試合【中日 vs. ヤクルト(7/31)】だったのですが、内容で言えば3失点という形でしたが、チームが逆転してくれました。5・6回で替わるのではなく、8・9回まで投げてチームに勝利をもたらすのが、自分の形だと見えたので、自信がつきましたし、ここから巻き替えしていければと思いましたね。

―― 初勝利からは5試合連続完投、そのうち2試合が完封でしたが、連勝中はどういう気持でしたか?
(大野) 5試合も最後まで投げきれるとは、正直思っていませんでした。でも、身体も元気だったので、行けるところまでどんどん行こうというのはありました。最初の6試合で勝てなかった分は、そこで少しは巻き返せたかなと・・・。

◆「大野に勝たせてやりたかった」と言われる投手に
―― 9/8に巨人の菅野投手との投げ合いがありましたが、いかがでしたか?
(大野) 菅野投手の連勝が続いて僕も完投が続いていて、注目されているのがわかっていたので、自分自身もすごく楽しみしていたし、すごくうれしかった。その前にも一度シーズンで投げあっていましたが、その時は負けてしまったので、なんとか勝ちたいと思っていました。

―― 実際投げ合ってみてどうでしたか?
(大野) 結局、負けてしまったんですが、菅野投手の凄さを改めて感じました。先に点を取られない菅野投手が勝ったので、そういうところは僕もそうなっていかないといけないと感じましたね。

―― それでも9回を2失点で投げ切ったのは大野さんのプライドだと思います。
(大野) 身体が元気でしたし、9回裏に逆転のチャンスもあるので「最後まで行かせてください」とコーチと話をしました。得られるものもすごく多かったので、負けましたが、最後まで投げて良かったと思います。

大野雄大

―― 具体的に得られたことはなんですか?
(大野) そういう姿をチームメートやファンの皆さんが見てくださったと思います。「大野に勝たせてやりたかった」という声も入ってきたので、そういう投手に少し近づけたのかなと。やはり「大野が投げる試合は勝たないといけない」と思われるのが投手としては最高ですし、試合後そういうふうに言ってもらったことがうれしかったことの1つですね。

大野雄大が考える長いイニングを投げる価値

◆連続45回無失点よりも5試合連続完投
―― 9/22から45イニング無失点がありましたが、それについてはいかがですか?
(大野) 本当に出来すぎだと思います。投げている間は全然、気になりませんでしたが、あと少しで球団記録という時に初めて意識しました。ただ、「俺、ほんまにそんな抑えてたんかな」とか、「おまえ、ようそんなに抑えられたな」と思いました。

―― 記録を塗り替えたヒーローインタビューで、次に打たれたらという発言がありました。
(大野) 今思うと、あの発言はしない方が良かったと思います。言葉というのは「言霊」といいますか、発したことが現実になるというのを改めて思いました。あそこで、もし「もっと記録を伸ばしたいです」と言ったら、そっちの方向にいった可能性もあったので、そこは反省ですし今後に生かしたいと思います。

―― 今季は45イニング無失点と、5連続完投と2つの記録がありましたが、どちらの記録がうれしかったですか?
(大野) 僕は5試合連続完投の方が価値があると思います。

―― 今、プロ野球は分業制で完投する投手が出てきませんが、それについてはいかがですか?
(大野) もともと、僕は長いイニングを投げられる投手だと思っていますし、最後まで投げきれたらいいと、いつも思っています。今年に関しては、10完投でしたが、まさかそこまで投げられるとは思っていませんでしたね。

自分が最後まで投げ切ることによって、中継ぎ投手が休めますし、それが143試合、今年は120試合でしたが、戦っていく中で必要なことだと思います。中継ぎ投手も絶対にパンクしてしまうので、自分が投げる日は休めると思ってもらえるのが、先発ピッチャーの最高の仕事だと思うので、これからもこだわっていきたいです。

大野雄大

◆“強いまっすぐ”を意識させ、球数を抑える
―― ピッチングでは今年はフォークが増えたと思いますが、いかがでしょうか?
(大野) 今年は木下(拓哉)とバッテリーを組むことが多かったのですが、木下がフォークが1番抑えられる、1番ヒットの確率が少ない球種だと判断して要求することが増えたと思います。確か被打率もだいぶ低いと思います。

―― 今シーズンは完投が増えたことで、球数を意識されましたか?
(大野) 球数が少なくないと完投は絶対できない、140球投げても完投できる身体ですが、次の試合ではできない。110球から120球の間だと、次の試合にも支障がないのもわかっているので、毎試合球数は少なく投げることが大事。それはこれからも継続していきたいところです。

―― 球数を少なくするために意識した点はありますか?
(大野) やはり、ストライクゾーンでどんどん勝負していくことです。でも、バッターもストライクゾーンに来たら打ちに来ます。その中でファウルを取れたり、狙い球ではない球を投げてアウトにできた、凡打にできたというのは木下のおかげでもあります。それが継続してできたというのは良かったと思います。

―― 今シーズン、一番自信のあった球種はなんですか?
(大野) “まっすぐ”ですね。“強いまっすぐ”をどれだけバッターに意識させるかを毎試合、頭に置いています。それがないとフォークもツーシームも生きない。まっすぐがあって、ということはずっと頭に置いて投げていました。

―― 今シーズン、一番印象に残っているシーンはありますか?
(大野) 10完投目で10勝目をあげた試合です。ナゴヤドームの横浜戦で1-0(10/22)でした。中継ぎ投手も連投していたので、自分が最後まで投げ切ることができれば、チームのAクラスも見えてくると思っていました。あの試合は最後まで行きたいと思って、マウンドに上った試合。しかも、1-0というのは価値があるし、今年のNo.1の試合だったと思っています。

―― その試合のヒーローインタビューで「今日だけは褒めてください」と言われていました。
(大野)そうですね。そういう色々な気持ちが詰まった試合だったので、言っちゃいました(笑)。

10/22「中日vs.横浜DeNA戦」

インタビュー第2回では「8年ぶりのAクラス」この結果をどの様に捉えているのか、またコロナ禍で感じた「ファンの力」、さらには国内FAを取得も残留を決めた理由について語ってもらった。

取材:J SPORTS

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大野雄大(おおの ゆうだい)プロフィール
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1988年9月26日生まれ。京都府出身。左投左打、京都外大西高校3年時に春の選抜で甲子園初先発。その後は佛教大学に進み、京滋リーグでは通算18勝1敗の成績を残し、大学No.1左腕と呼ばれる。2010年のドラフトでは肩を痛めていたため指名回避も予想されたが、中日ドラゴンズが1位で指名。背番号は「22」となる。プロ初登板・初先発は2011年10月14日の巨人戦で4回7失点。初勝利は2度目の先発となった2012年7月11日の阪神戦で5回1/3を1失点に抑えた。2013年から3年連続2ケタ勝利をマークする。
2020シーズンは11勝6敗、防御率1.82、148奪三振で最優秀防御率と最多奪三振のタイトルを獲得。さらに10完投、6完封で沢村賞も受賞。

J SPORTS編集部

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