【ハイライト動画あり】前々回王者が大差で1回戦敗退、西部ガスは東京ドーム初勝利に涙。都市対抗野球　11月24日（火）の結果

3試合が行われた大会3日目

第91回都市対抗野球大会は11月24日で大会3日目。本日も1回戦の3試合が行われた。

○ホンダ（狭山市）　12-5　大阪ガス（大阪市）●

ホンダ　｜0 0 11 0 1 0 0 0 0｜12
大阪ガス｜0 0 2 3 0 0 0 0 0｜5

ホンダ（狭山市）と大阪ガス（大阪市）の第1試合は「まさか」の展開となった。

ホンダは3回表、一死1、2塁のチャンスを作る。そこから1番・吉田叡生、2番・津田翔希が連続四球を選び、まず押し出しで先制点。3番・井上彰吾がレフト前タイムリー安打で2点を加え、4番・佐藤竜彦はレフトに3ラン本塁打を放つ。この時点でスコアは6-0だが、ホンダの勢いは止まらない。

大阪ガスは阪本大樹を降板させたが、2番手・川瀬航作も勢いに呑まれてしまう。川瀬は四球、四球、センター前タイムリー安打、死球と一死も取れずに降板。さらに3番手の左腕・田中誠也が3本のタイムリーを浴びてしまう。

ホンダは8番・檜村篤史からの連続出塁が何と12人。1番・吉田叡生のタイムリー2塁打で「打ち止め」となったが、ホンダが3回一死の間に一挙11点を挙げ、試合を決めた。

大阪ガスも3回裏に大和高田クラブから補強された8番・西脇雅弥のソロ本塁打などで2点を加え、4回にも3得点。河野佳と温水賀一の2人が好投して追加点は許さなかったが、3回の「悪夢」は強烈だった。ホンダは5回にも1点を加え、12-5と勝利して2回戦進出を決めている。

●ジェイプロジェクト（名古屋市）　1-8　鷺宮製作所（東京都）○

ジェイプロ｜0 0 1 0 0 0 0 0 0｜1
鷺宮製作所｜1 1 0 0 0 1 1 4 X｜8

ジェイプロジェクト（名古屋市）と鷺宮製作所（東京都）の第2試合は、やはり序盤に試合が動いた。

鷺宮製作所は1回表、4番・橋本顕太郎が二死3塁からレフト前にタイムリー安打。2回表には予選のラッキーボーイ8番・佐野快斗が、一死2塁からライト線へのタイムリー2塁打で続き、早くも2点を先制する。

ただし、ジェイプロジェクトは2回途中から登板した西納敦史が好投。三菱重工名古屋から補強されたベテランの右サイドハンドが、試合の流れを引き戻す。すると3回裏には二死から1番・今井雄一のタイムリー安打で1点差に。

一方の鷺宮製作所は6回表に守備の乱れを突く。4番・橋本顕太郎が一死1塁から二ゴロを放った場面。併殺と思われたが2塁のカバーに入った選手の「足」がベースについておらず、走者が3塁に残った。6番・木田大貴が二死3塁から三ゴロを放つと、これは2塁への送球がフィルダースチョイスに。3-1とリードが広がる。7回表にも相手投手の暴投で4点目を加えた。

鷺宮製作所は平川裕太が5回を1点で抑え、6回から登板した左腕・野口亮太も粘り強い投球で追加点を許さない。8回表にも4点を加えて突き放し、鷺宮製作所が8-1と快勝している。

●日本製紙石巻（石巻市）　 1-3　西部ガス（福岡市）○

日本製紙｜0 0 0 0 0 0 1 0 0｜1
西部ガス｜0 0 0 0 0 0 3 0 X｜3

日本製紙石巻（石巻市）と西部ガス（福岡市）の第3試合は、見ごたえのある投手戦となった。

日本製紙石巻は技巧派左腕・塚本峻大が好投。速球は130キロ前後だがスライダー、チェンジアップを生かした投球術が見事だった。西部ガスも右サイドハンドの村田健が好投。140キロ台中盤を計測する速球で、ただ押すのでなく丁寧にコースを突いていた。5回がわずか52分で終了するテンポのいい試合となった。

7回に試合が動く。日本製紙石巻は7回表、6番・中嶋政弥が無死1塁でバントの構えから強攻し、レフトオーバーのタイムリー2塁打を放つ。しかし一死後のスクイズ失敗もあり、得点は1点にとどまった。

すると西部ガスは7回裏、まず7番・山中雄士朗が一死からレフト前タイムリーを放って同点とする。さらに8番・永利拓也は一死1・2塁から二ゴロ。永利はアウトになったが、2塁走者がセカンドの小さくファンブルした「隙」を突いて一挙に生還。

9番・大久保宗洋もボテボテの二ゴロを放つ。これも連携ミスなどで送球が逸れ、2塁走者が一挙に生還。西部ガスが「足」でリードを広げる流れとなった。

西部ガスが3-1で日本製紙石巻を下し、5回目の出場で東京ドーム初勝利を挙げている。試合後のインタビューで落涙を見せ、言葉に詰まる香田誉士史監督の姿が「1勝の重さ」を物語っていた。

文：大島和人