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野球 コラム 2020年8月20日

ダルビッシュ有、圧倒的な存在感の理由は「魔法の公式」

MLBコラム by J SPORTS 編集部
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ダルビッシュ有、トップクラスの成績を残す

2020年シカゴの夏にダルビッシュあり、である。目下、絶好調のダルビッシュ有が現地18日のカーディナルス戦で、両リーグトップタイとなる今季4勝目を挙げたのは既報の通り。

カブスの首位快走を先発ローテーションの柱として支える右腕は、今季これまで5試合に先発し、30回を投げ、4勝1敗、防御率1.80、34奪三振、5四球としている。

中でも奪三振率35.6%はゲリット・コールの40.8%、そしてジャスティン・バーランダーの40.3%に次ぐメジャー3位にランクインしており、さらに与四球率2.8%は、規定に達した選手の中では、MLBトップの数字となっている。

こうした成績やスタッツが示す通り、昨季後半から今季にかけて、ダルビッシュはMLBでも指折りの投手として、圧倒的な存在感を見せてきたわけだが、現地メディアはその好調の一因として、投球テンポの変化を指摘している。

『MLB.com』でカブスを担当するジョーダン・バスティアン記者は、現地19日付で「ユウのスローペースが結果を出している」と題した記事を投稿し、その冒頭で昨夏にダルビッシュがトミー・ホットヴィ投手コーチと投球のテンポについて話し合ったことに触れた。

「何年もの間、ダルビッシュはコーチたちからマウンド上では、テンポにフォーカスするよう言われてきたが、彼はそれにより投球の直前に集中力が失われると感じていた」とした上で、「それ故、ダルビッシュはペースではなく、より投球に集中することについてホットヴィと話しをしたのである」とした。

記事によると、「彼は2012年から17年シーズンにかけて、投球間の平均を25.1秒から27.1秒としており、ケガにより損なわれたカブス初年度の2018年はその平均を26.5秒とした」とのこと。

しかし、2019年になると、ダルビッシュによる投球間の平均時間は29.4秒となり、特に「シーズン前半は28.1秒だったが、オールスターブレーク後はこれが29.6秒に跳ね上がった」とのこと。

これについてダルビッシュは、「僕はスローな男なんだ。日本にいたときはね。こっちへ来てから、多くの人が、僕にできる限り(テンポを)早く投げさせたがった。そして、それは僕には機能しなかったんだ」。

「そこにフォーカスすると、僕は投球にフォーカスできないんだ。トミーとは、“僕はテンポではなく、もっと投球にフォーカスしたい”と話した。その後は断然快適になったし、自分の先発の結果が向上したんだ」と述べたとのこと。

また、記事によると、このダルビッシュの好転について、デビッド・ロス監督は、「ユウ・ダルビッシュが自由に彼自身でいることが、魔法の公式だったのさ」とコメントしている。

魔法の公式を見つけた男がどこまで上り詰めるのか、非常に楽しみなところである。

J SPORTS編集部

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