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野球 コラム 2020年3月25日

【楽天好き】松井裕樹、練習試合での先発とSNSでの発信

野球好きコラム by 松山 ようこ
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写真:久米島キャンプでフォームをチェックする松井

仕切り直しだ。3月23日、ついに無観客での練習試合もなくなった。少しでも野球が見られると思っていたのに…と途方に暮れるファンも多いだろう。

だが、新型コロナウィルスの感染拡大は、日に日に深刻さを増している。世界中のスポーツイベントが延期・中止となるなか、プロ野球の開幕日も先に発表されていた「4月10日以降」ではなく、「4月24日を目指す」ことになった。

何事もなければ開幕していたはずだった3月21日、楽天はオリックスとホームで練習試合を行った。今季から先発転向する松井裕樹がまっさらなマウンドに立ち、本番さながらの気合いの入った立ち上がりを見せていた。

松井は全球ストレート勝負で、先頭は空振り三振。2番中村には二塁打を浴び、牽制送球ミスで3塁を陥れられ、続く3番吉田に犠牲フライで先制点を失うも、連打は許さず。

さらに2回は連続四球からの2点タイムリーを浴びたが、この後はていねいにアウトを重ねた。結果、4回4安打3失点で4奪三振3与四球。2週間前のオープン戦では右手に打球を受けて負傷交代したことも考慮してか全82球で降板した。

同試合をJ SPORTSで解説をしていた井上純氏も、「フォアボールと牽制のミスがなければ、完璧に打たれたようなヒットもなく、立ち上がりや課題としている変化球の使い方といい、及第点ではないでしょうか。

あとは先発なので球数を投げることになる。疲労の回復と今後どう対処していくかでしょう」と期待を寄せた。

開幕延期は少なくとも、松井をはじめとする課題が明確な選手たちには、有効活用できる時間だろう。選手会長でエースの則本昂大も「チャレンジしたりと自分の時間ができる」とコメントを発表している。

この日も則本は、6回から登板すると、完璧な仕上がりで2回無安打(無四球)。毎年きっちりと準備をする則本の背中が、引き続きチームを率いてくれそうだ。

なお、翌22日は悪天候で練習試合は中止に。久し振りの試合中継もわずか1試合でお預けとなったが、この日も若手はギラギラとしていたし、ブセニッツは髭がたわわに生えていてビックリしたけれど、変わらない爽やかスマイルを漂わせながら、最終回を三者凡退と文句なしの仕上がりを見せつけていた。

写真:キャンプでも毎日ファンにサインしていたオコエ

自粛ムードだからこそ、選手たちの快活な姿はファンに元気や勇気を与える。この日、印象に残ったのは松井が降板した時と、小郷裕哉がソロホームランを放った後。

ダグアウトで選手たちは、いつもの“ハイタッチ”ではなく、コロナ禍で急速に浸透しつつある“肘タッチ”をしていたこと。早くも取り入れていたのだ。

意識の高い選手たちは、工夫を凝らした発信を続ける。松井は開幕延期が決まった23日、球団のツイッターを通じて、「ぼくが幼稚園の時の将来の夢はなんでしょう?」と自分クイズを動画で発信。

答えは、1:プロ野球選手 2:桃の缶詰屋さん 3:パイロット のいずれかで、その夜に動画で発表された。気になる正解は「2」番。理由は、「その時、一番大好きな食べ物だったから」。

さらに、「年長の時は、缶詰屋の“屋”が書けたけど、年中の時は“屋”が書けなくて、『桃の缶詰になりたい』って書いてました」と愛らしいエピソードを披露している(ああ、ほっこりする!)。

他にも、小郷やオコエ瑠偉がインスタライブをしたことも記憶に新しい。なお、オコエはキャンプ中に宿泊先のホテルからライブを試みたものの、回線状況が悪く、画面も真っ暗のまま途中で断念。

そこで翌日、そのことを尋ねると、「ちゃんと中継できず、かたじけないっす」と照れ隠しのように頭をペコリと下げると、「前にぼく、週刊誌で悪く書かれたりして、支えてくれる人やファンに迷惑をかけてるので」と自ら発信する理由を明かした。

「自分が悪く言われるのは全然いいんですよ。でも、自分を思ってくれる人に何か返せたらと思って」と、一転して真摯な表情で語っていた。

先延ばしになった開幕は待ち遠しいばかり。けれども、こうした機会に選手の意外な側面が見られるのもまた、楽しみを膨らませてくれる。

文/写真:松山ようこ

松山ようこ

松山 ようこ

フリーランス翻訳者・ライター。スポーツやエンターテイメント関連コンテンツの字幕翻訳をはじめ、Webコンテンツ、関連ニュース、企業資料などの翻訳や制作を請け負う。J SPORTSでは、主にMLBや侍ジャパンのほか、2015シーズンより楽天イーグルスを取材し、コラムやインタビュー記事を担当。野球の他にも、幅広くスポーツ選手はじめ著名人を取材。Twitter @yokobooboo

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