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野球 コラム 2020年2月26日

【中日好き】山井大介、攻めの姿勢

野球好きコラム by 森 貴俊
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一言で言えば山井大介の意地だろう。昨シーズン13試合に登板も3勝5敗。辛酸をなめた1年だった。

シーズン後、現役続行。山井自身に迷いはなかった。過ごしたオフは“攻め”の姿勢だった。掲げたテーマは「フルモデルチェンジ」自らの投球フォーム改造に着手した。

数年前、山井はこう話した。「色々なフォームがあるけど、柔らかい、しなやかなフォームが好きですね」。山井自身もそうだった。しかし、その根本のメカニズムにメスを入れた。

フォームを変えないといけない。山井はなぜそう感じたのか。「理由は1つ。マウンドの固さですよ。去年投げていても、どこの球場も昔に比べてマウンドが固い。今のフォームだと限界があるかなと」。

シーズン中から感じていた違和感。終了後すぐに鳥取ワールドウィングに移動し、改造に取り掛かった。どう変えていくのか。山井はこう説明した。

「簡単に言えば、浅尾拓也ですよ。車を運転していて、急ブレーキを踏んだらどうなります?上半身が前に飛び出すでしょ。踏み出した足が急ブレーキです。下半身をブレーキのように使い、上半身を走らせる。その勢いを使うフォームにするんです」。

山井の身体に残る反応が改造を物語っている。「これまで、なかった部分に張りが出ています。特に身体の裏側、太もも裏、臀部、背中。体の背面が強くないとブレーキがかからない。キャンプ中は背面をケアしながらやっています」。

フルモデルチェンジを試みている山井自身、まずまずの感覚を感じている。「感覚的には、3年前くらいに変えていてもよかったかな。そう感じるくらいいい手応えです」。

「実際、投げたボールのラインの出かた。球の質。何より打者の手元付近でボールの強さを感じます」と話す。

感覚は良し。しかし、実績十分のベテランとは言え、突き上げてくる若いドラゴンズ先発投手陣を上回らなければ椅子は回ってこない。結果を出さなければフルモデルチェンジも水泡に帰す。

「黙って自分のペースでやっていても、投げさせてもらえるような立場じゃないですから。この先、もちろん結果は求めていきます」。

山井はキャンプ終盤、2月22日のオープン戦北谷球場、阪神戦に2人目で登板した。結果は2回44球5安打4失点。結果を出すことはできなかった。

山井は「ブルペンでやって来た事を試したかったんですが、試す前にことごとく打ち返されてしまった。ファウルが取れなくて、前に飛ばされてばかりでした。まだまだですね。もっと修正が必要」と振り返った。

フルモデルチェンジは簡単に手に入らない。それは山井自身もよく分かっている。数日後のブルペン。山井は身体に残る違和感を修正するためブルペンで100球を投げ込んだ。

「フォームはまだ改造中ですから。完成ではない。阪神戦は打者の反応を見たかったけどそんな場面すら作れなかった」。

「あの試合は腕が振れていなかった。それが1番ダメだったと思う。次の登板はしっかり新フォームで投げ腕を振りたい。なによりバッターの反応を確かめたいですね」と話した。まだ下を向く時期ではない。

42歳を迎えるシーズン。フォームの改造について怖さはなかったのか。「今の歳で守りに入ったらダメ。最後まで一番いいものを追求する。その結果ダメならしょうがない。でも必ず、自分が必要とされる時がある。そう信じてやっていますね」。

悔しさ、不安、もどかしさ、あらゆる感情を沖縄で汗と一緒に流してきた。まだやれるだろ!まだ変われるだろ!山井の心は山井にそう叫んでいるように見えた。

山井大介が必要とされるその日まで、今シーズンも最年長の“攻め“は続く。

文:森貴俊

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森 貴俊

1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!

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