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野球 コラム 2020年2月25日

【中日好き】山本拓実、掴み取る

野球好きコラム by 森 貴俊
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ドラゴンズの最も小柄な背番号59番はキャンプ序盤から躍動している。

山本拓実は2年目の昨シーズンは9試合で3勝をマーク。シーズンオフに入ってもあらゆるトレーニングに興味を示し精力的に動いた。

山本はここまでを振り返り、「練習試合の広島戦はちょっとマズかったですが、順調ですね。オフに取り組んだ事がいい形で出ていると思います。ボールの強さと質には納得しています」と話す。

知識と経験を手にした2019シーズン。オフにはドライブラインなど最新のトレーニングも試みた。そんな山本がこのキャンプ、一番大事にしている事は意外な物だった。

「キャッチボールです。キャッチボールの延長にピッチングがあると思います。そこを疎かにするとピッチングに影響が出るんで」。

「しっかりと指からいい回転でラインが出るボールを意識しています。それをワンステップで体重移動をして投げるようにしています」と明かした。

取り組んでいる新球。スラッターもまずまずの手応えだ。スライダーとカットボールの中間。

山本は「ベース半分曲がってくれるのが理想です。左打者の内に食い込むのが理想。ここまで早い段階から使っていますが、いいですね。手ごたえは感じています」と話す。しかし、このボールには危うさもある。中途半端に指にかかった時だ。

山本は「しっかり指にかかればまず大丈夫。あと、完全に抜けてしまっても意外に打たれない。一番まずいのは中途半端に指にかかった時です」。

「回転の悪いボールが甘く真ん中にいってしまう。練習試合の広島戦でスタンドに運ばれたのもこの中途半端にかかったスラッターでした。今後は指にかかる、イメージ通りに曲がる確率を上げていきます」と説明した。

身長167cmの体から繰り出す140キロを超えるスピンの効いたストレート。その体の使い方が気になった。塚本1軍トレーニングコーチはこう話す。

「あの身体でプロで通用しているんですから、身体の使い方が下手なわけないですよね。はっきり言ってお見事です」。

「一番素晴らしいのは体重移動。踏み出した前の足の股関節に体重を乗せていくのが上手い。体の力をボールに伝える移動はトップクラスです」と言う。

先発ローテ争いに目を向ければ、開幕をすでに言い渡されている大野雄大、昨シーズン2桁をマークした柳裕也。故障からの復帰を果たした小笠原慎之介、2年目の飛躍が期待される梅津晃大。外国人左腕ロメロ。こういったあたりが先行しているが、その5人に待ったをかける筆頭が山本拓実だろう。

2月24日、北谷球場、楽天戦。2人目で登板した山本は2イニングを無安打、無失点に抑えローテ入りをまた手繰り寄せた。

山本は「前回の練習試合では打ち込まれましたが、それをふまえ、今日は両サイドに投げ分ける事がテーマでしたが、それも修正できました」

また、自らの精神面も冷静に理解している。「心の部分にも課題があります。バッターに気持ちで向かっていくのはもちろんですが、空回りもいけない。マウンドで冷静に試合の状況などを把握することも今後意識していきたい」と振り返った。

まっすぐな思いを迷わず口にする清々しさも話していて気持ちがいい。

「僕はゆっくり調整している立場ではない。結果を出していかないといけない立場ですから。開幕ローテ?もちろん掴み取りに行きます」

ドラゴンズ沖縄キャンプは最終クール。山本拓実の登板から今後も目が離せない。

文:森貴俊

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森 貴俊

1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!

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