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野球 コラム 2019年11月11日

【中日好き】鈴木博志、自分の現在地

野球好きコラム by 森 貴俊
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「我こそはという人はアピールしてほしい」。1年前、抑え投手に対して与田監督はこう促した。

2019シーズン、開幕時の抑え投手は鈴木博志だった。開幕から25試合、14セーブをマークしたがその後、2軍の日々に変わった。

今シーズン最後のセーブは5月26日、そこから1軍に戻りはしたものの、5試合セーブはなかった。7月25日を最後に鈴木博志は1軍に戻る事はなかった。実質的なストッパーからの転落。

その後、ドラゴンズはライデル・マルティネス、岡田俊哉と抑えをやりくりしたものの、守護神の確立とは言えないシーズンだった。

11月、沖縄の太陽の下、鈴木博志は精力的に汗を流している。「ストッパーをやりたい気持ちは一時封印です。やりたい気持ちだけで務まるポジションではないですから。順を追って、周りに認められてからです」と話す。

秋の沖縄、鈴木博志は何をテーマとしているのか。「ストレートですね。もう一度、自分の基本を見つめ直します。スピードは150超えても僕はバッターに怖がられてない。追い込まれても何とかなると思われている」。

「今は真っすぐを1球で仕留めないと打てないなって思わせるストレートにしていく過程です」と話した。

一言でストレートといっても十人十色。140キロでも打ち損じる真っすぐは沢山存在する。

トラックマンのデータでは鈴木博志のストレートの回転数は2800回転。チームでもトップクラスだ。しかし、ボールが浮き上がるホップ成分は柳や笠原の方がはるかに高い。

自分のストレートを鈴木博志は分析する。「回転数は多くても、回転自体が僕のはジャイロ回転(横回転)なんです。150キロでも打者の手元で垂れたりする」。

「僕の腕の振り方に問題があります。肘が寝て、手首も寝て、押し出すようにボールを投げてしまう」と明かした。

このキャンプを見ていると鈴木博志はキャッチボールから、その創意工夫が見られる。サッカーで言うループシュートのような、山なりのボールばかりを投げる。

「相手に向かって真っすぐ投げようとすると、どうしても腕を押し出してしまう。腕が顔の横を通過するタイミングでボールを指で弾く。そして肘を内側に返す。この感覚を大事にやっています」と解説した。

北谷球場のブルペンでは与田監督が連日、投手に厳しい視線を送る。その監督からの一言に鈴木博志の表情はほころんだ。

「博志、良くなっている。その感覚だ」。
「低めの意識は後でいい。ボールが上ずってもいい。今の感覚でストレートを磨け」。

その視線からは与田監督の「この投手を何とかしてやらないと」そんな思いがにじみ出ていた。

鈴木博志は「まずはファールを増やす。ファールの先には空振りがある。それが増えればバッターから嫌がられるストレートになると思います」。

一度は踏み外した階段。しかし、自分の大好きなポジションへの情熱は失っていない。秋の沖縄から、鈴木博志は再び守護神への階段を登り始めた。

文:森貴俊(東海ラジオ)

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森 貴俊

1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!

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