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写真:セカンドキャリアで新人賞を獲得
◆現役最後の年は死にものぐるい。疲労骨折しながらトライアウトへ
それにしても、プロ野球への未練はなかったのか。聞くと、即答だった。
「まったくないです。実はぼく、野球が嫌いだったんです。父が野球の指導をしていたので、他のスポーツもできなかった。厳しい父で、ぼくはガミガミ言われないよう、野球に“逃げた”んです」。
「だったら頑張ってプロになればいいんだろ、みたいな。そんな動機でプロ入りしても、成功するわけがなかった」。
「父はなかなか受け入れられなくて、揉めたこともありましたが、今こうしてライフプランナーとして社内新人賞を獲ることができて、『よかったな』って言ってくれた。本当に嬉しいです」。
ちなみに“逃げた”といっても、現役時代も努力を怠ったわけではない。プロ最後となった2017年の久米島キャンプをまざまざと思い出す。
「今年が本当に勝負だから、後悔しないよう休みゼロでトレーニングを積んできました。クリスマスや正月もすべて野球漬けでしたから」と充実した表情で語っていたのだ。改めて尋ねた。
「もちろん嫌いでも、頑張ると言ったら頑張りますよ。でも、ぶっちゃけ入団時から肘を痛めていて、最終年の猛練習でついには疲労骨折してしまった。そんなのも覚悟してたんです。これでケガするなら、そこまでの選手だって。結果的にそうなっちゃいましたけどね」。
「わはは」と大きな声で笑うと、今もちゃんと伸ばせない肘を見せてくれた。手術は成功したが、積年の酷使で元通りにはならない。
実は、秋に受けたトライアウトは手術前(時期的にも間に合わなかった)だった。だから、痛み止めの注射を打って、鎮痛剤を飲んで、骨折したまま挑んだという。
嫌々で続けた野球のキャリアだが、やめた今だからこそ「野球は楽しい」と笑う。ときには草野球に興じたり、仲間や顧客と試合を見に行ったり。
「ファンの人の気持ちも、今のほうがわかると思います」福田さんは、とても晴れやかな表情で語った。
文:松山ようこ
松山 ようこ
フリーランス翻訳者・ライター。スポーツやエンターテイメント関連コンテンツの字幕翻訳をはじめ、Webコンテンツ、関連ニュース、企業資料などの翻訳や制作を請け負う。J SPORTSでは、主にMLBや侍ジャパンのほか、2015シーズンより楽天イーグルスを取材し、コラムやインタビュー記事を担当。野球の他にも、幅広くスポーツ選手はじめ著名人を取材。Twitter @yokobooboo
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