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野球 コラム 2019年10月1日

【中日好き】堂上直倫、止まらない好奇心

野球好きコラム by 森 貴俊
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ここまでスタメンで出ることは少ないが、堂上直倫はキャリアハイの数字を残している。

12本塁打。過去最多の本塁打はシーズン6本。実に倍の数字を記録した。

長打力のアップ。当然、そうなるように今年から打撃を改造してきたのかと思った。しかし、堂上はキッパリ否定した。

「全く。長打力のアップを考えてもいなかったし、ホームランを打てるようにしようって取り組んでもいません。だから偶然なんですよ。自分でも予想していませんでした」と話した。

しかし結果、本塁打は増えた。その要因は一体何なのか。堂上は意外な事を口にした。

「バットじゃないですかね。僕のバット、今年から長いんです。34.5インチ(87.6cm)にしました。だから遠心力が働く。いい形でとらえたら自然に打球は伸びますよ」。

34.5インチ。どれくらい長いのかピンと来ない。堂上の契約メーカー、ミズノの川瀬匠さんはこう話す。

「正直、見たことない。34.5インチを卸しているのは彼だけです。ドラゴンズどころか今、プロ野球界でもあの長さのバットを使っているのを見たことがないです。使いこなしているんだから、凄いですよ」と話した。

通常、今のスタンダードは33インチ(83.8cm)から34インチ(86.3cm)が主流。メジャーで活躍する大谷翔平も、あの長身で34インチだ。ではなぜ、堂上は34.5インチのバットを使おうと思ったのか。

「簡単ですよ。振りやすかった。僕には合っている。バットに合わせてフォームを作ったわけでもないです。去年から取り組んでいる打撃フォームにこのバットが合ったのかもしれませんね」。

しかし、他の選手はこう話す。ドラゴンズの阿部寿樹は「直倫さんのバット?長いですよ。振らせてもらいましたが、あれは振れない。バットを振ろうとすると身体がもってかれちゃう。身体ごと振ってしまうんです。あれは扱えないですよ」と笑って話していた。

狙って作り上げたわけではない。振りやすさ、打ちやすさ、自分の感覚を優先していった結果、12本塁打が生まれた。

セカンドに阿部寿樹が台頭した。ショート京田、サード高橋。控えに回る事が多いシーズンだった。でも、堂上は追及を止めなかった。

堂上に日々の考えやモチベーションを聞いてみた。

「今日はスタメンかなとか、そういうモチベーションは持たない。スタメンだろうと控えだろうと同じ。平常心を保って過ごしていますよ。それでも打撃を追求するのは結局、僕はバッティングが好きなんでしょうね」。

「今の打ち方やバットにして得られた感覚もありますし、それと向き合っていくのは楽しいですよ。堂上直倫は守備の人。そう思われるのはダメじゃないんですが、やっぱり打ちたいんですよ。野球選手だから」。

守備の達人で終わる気はない。今シーズンは後半、代打の切り札としての起用が多かった。

堂上直倫の好奇心は止まらない。来シーズンも若手を脅かす存在になるだろう。堂上がいる限り競争は続く。ドラゴンズの内野手に安泰はない。

文:森貴俊

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森 貴俊

1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!

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