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野球 コラム 2019年6月28日

【中日好き】柳裕也、エースになれ!

野球好きコラム by 森 貴俊
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野球好きコラム 中日好き

2年間苦しんだ男がドラゴンズを牽引している。

ドラフト1位でドラゴンズに入団も、2年は故障に苦しんだ。同期入団の京田陽太は新人王に輝き、笠原祥太朗は去年6勝をマーク、サムライジャパンに召集され、今年の開幕投手も務めた。

同級生の成長に柳は、「ドラ1は僕なのに何をやってんだ…」思わず本音がこぼれた。

今シーズン、柳はここまで13試合に先発。8勝2敗、防御率3.13、交流戦では3試合負けなしの3勝。日本生命賞に輝いた。抜群の安定感を誇る柳だが、特筆すべきは8勝中、6勝がビジターで勝っている。

さらに6勝中5勝は、屋外球場での勝利だ。屋外球場での防御率は1.67と素晴らしい数字を残している(6月28日現在)。ドラゴンズが苦手とする屋外球場での好投は、チームにとって大きな武器だ。

柳はこれを自分で分析した。「ずっと風をうまく使うピッチングは意識してやってきましたからね。それがいい形で出ているのかなと思います」。

「風で生じる違和感を、あまりマイナスに考えないようにしていますね。変化球がいつもの変化と違うなら、それをうまく利用します」。

6月14日、ZOZOマリンのロッテ戦。カーブやスライダーはいつも以上に鋭く曲がっていた。

柳は「あの日は風を味方にできましたね。僕自身、どちらかというとマウンドとか、風とか、いつもと違う環境が苦に感じないタイプかなと思っています」。

去年の秋、一部投手陣のみの沖縄キャンプから柳の目の色は違った。ドラゴンズは新しい監督・コーチのもと、まず投手陣に促したのは“ストライクゾーンでの勝負”だった。

強いボールでゾーン内の勝負をする。柳はこれまで“コントロールこそ自分”を強く持っていた。

「僕の場合、コントロールは大事ですよ。それは変わらない。だけど追い込む段階で窮屈になりすぎてボール先攻、ストライク取りに行って打たれるケースがもったいないと思えるようになりました」。

「僕が打たれる大半はカウント負け。追い込む段階からコーナーを狙うんじゃなく、インコースに外れる分にはいいや、とか振ってくれたら儲けものって考えにしました」。

「以前まではマウンドで、内に甘く入ったらダメ。でも外に外れると意味がないって感じで、自分をやっちゃダメルールで縛り付けていたんです」。

「もちろん、そういう場面もありますが、初回から全てそう考える必要はないんだなってピッチングに変わりましたね」と話す。

結果、柳の投球に大胆さが生まれ、ストライク先攻の確立も上がった。

そしてもう一つ、私が見ていて感じる柳の強みは“取材力”だ。登板後、柳は自分のピッチングがどうだったかを周囲に聞いて回る。

ルーティーンになっているのは、伊東ヘッドコーチへの聞き込み。バッテリー目線で客観的にどう映ったか、意見を真摯に聞き入れる。

ドラゴンズは絶対的エース不在が続いている。しかし、松坂大輔、吉見一起、その立場を長年経験した投手はいる。柳の今年の8勝のうち5勝はチームの連敗を止めた勝ち星だ。

新しい時代を背負う右腕の成長は見ていて頼もしい。柳裕也よ、ドラゴンズの絶対的エースになれ!

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森 貴俊

1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!

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