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野球 コラム 2019年6月22日

【中日好き】武山真吾、総合力

野球好きコラム by 森 貴俊
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野球好きコラム 中日好き

ベテランの捕手、武山真吾が1軍に合流して約1カ月。ここまで一番スタメンマスクを被っているのは加藤で44試合、武山は5試合(6月21日終了時点)。しかし、チームが求める武山の出番は試合終盤に多くなっている。

6月17日、ZOZOマリンスタジアムでのロッテ3回戦。5-4とドラゴンズ1点リードで迎えた8回。当然、勝ちパターンのセットアッパーが投入される。ロドリゲスがマウンドに上がると同時に武山はマスクを被った。

以前、伊東ヘッドコーチに聞いた。抑えキャッチャーという存在は必要か?伊東ヘッドは「1人のキャッチャーで1試合任せられるならそれがベストですよ。結果、そういう起用になることはあるけど」と話した。

同じ質問を武山にしてみた。武山は「その通りですよ。1人で行けるならそれが一番いい。途中から出る難しさはもちろんありますから」と答える。では、結果、そうなった6月17日のロッテ戦。武山はどう考えたのか。

「もちろん、行けと言われた段階でロドリゲスやマルチネスと同じですよね。勝って試合を終えてこいって事ですから。プレッシャーはあります。あの日は前日も酷い負け方をしてしまったので。だから野選もやっちゃって。僕の気持ちの焦りがあのミスにつながりました」。

先発マスクは加藤。試合開始から打者への配球など、キャッチャーは時系列で勝負を考える。この加藤のリードの流れを武山はどう考えたのか。

武山は「ベンチから試合は見ています。でも加藤のリードを頭にあえて入れません。入れると怖くなってしまうから」。

「8回、ロドリゲスの時、清田から3球3振を奪いましたが、加藤のリードを踏まえていたら、あれはできなかったですね。インサイドに要求するのが怖くなっていたと思います。だから、頭はまっさらにして行きます」と教えてくれた。

9回、マルチネスの際も先頭打者に2塁打を許し、武山の野選もあってドラゴンズは大ピンチを招いた。結果、そこから3つのアウトを奪い勝利を挙げたがマウンドに行って武山はマルチネスにこう話した。

「今日の試合、負けたら俺のミス、俺の責任だ。お前は悪くない。ここからは全球勝負球でいくぞ。気を抜くな。すべてのボールに全神経を集中して俺めがけて投げてこい」。

キャンプ、そして開幕から加藤に注目が集まった。球界トップクラスの強肩。もちろんその強みはある。しかし武山はこう話す。

「武器はあったほうがいいに決まっています。ただ、最終的にキャッチャーに求められるものって、僕は総合力だと思うんです。それは経験も含めて」。

「何か一つが優れていても、それを打ち消すくらい苦手なものがあってはダメだと思っています。10人のランナーを塁に出して5人の盗塁を刺すよりも、5人しか塁に出さない配球の方がいいわけですよ。僕はそう考えています」。

投手にかける言葉、送るジェスチャー1つもキャッチャーの仕事だ。すべてに意味がある。同時にキャッチャーが一番辛いのは、全てに答えがある。正解の答えは結果が全て。抑えれば正解。打たれれば不正解。そう理解していくポジションだ。

6月22日に35歳の誕生日を迎えた。「シーズンに1回は僕が必要とされる時があるんです」と武山は自虐的に言うが、本心そうは思っていないだろう。まだ老け込む歳ではない。武山の言う総合力。今のドラゴンズには一番必要かもしれない。

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森 貴俊

1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!

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