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野球 コラム 2019年6月12日

東北福祉大〇1-0●創価大『1点あればそれで充分』

野球好きコラム by 岩瀬 孝文
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静かに、とめどもない静寂の中で進んだ試合。 どちらもグラウンドに響く慣れた心地よい応援は、一瞬、消え去った。 打ったボールはライトスタンド中段へと飛んでいった。右翼手と中堅手が足はやく塀際に駆け寄り、瞬時うらめしそうにそれを見送った。 「直球に絞って、自然体で打つことができました」 5回裏、ここまでの均衡を破った7番楠本内野手のソロホームランだった。

楠本内野手(東北福祉大)


ベンチから本塁打を見届けた先発山野投手と抑えの津森投手が囁き合った。 「1点あれば、充分だ」 被安打2で快投を続けた先発の左腕山野から右サイドスローの津森へは、予定どおり7回に交代。

山野投手(東北福祉大)


津森投手(東北福祉大)


その思い切りよい采配と、集中して振り回す豪快なバッティングは、ともすれば大味になりそうな、いや、それは普段の練習から研ぎ澄まされたもの。どのようにすれば走者を返すことができるか並びに相手を抑えることができるのか、と、考え抜かれた選手それぞれの積極的な姿勢そのものだった。 「守りは短く、攻めは長く。さあ、いこう!」 ときおり笑顔が見える大塚監督の指針がベンチの隅々まで息づく。

望月投手(創価大)


1点をもらった津森投手の伸びるストレートは最速148㎞を記録した。 「すこしばかり力が入ると、ボールが浮いてしまう。なるべく余計な力を入れないように投げ分けていました」 じつに冷静なマウンドさばきだった。
四球でランナーが出るとベンチ全員が喜び、勢いに乗って点を取りにくる創価大。そこで、受け身に回ろうものなら瞬く間に逆転されてしまう。 ところが連続優勝を狙う東北福祉大の選手たちはピンチにも動ぜず、守りを固めて、至極、落ち着いていた。 「どれだけランナーが出ても0点なら良い。守備のみんながそう思っています。だからそれに応えて投げるだけなんです」 津森投手はほんの少し、ほほ笑んだ。

楠本内野手(東北福祉大)


地区リーグで防御率0.00の左腕エース山野投手から右腕津森投手への継投は、優勝を見据えた王道のリレーになりそうだ。 あとは楠本内野手に刺激された上位主力打線の奮起と爆発が待ち望まれる。 初戦を力量あるまま勝利した東北福祉大、次なる準々決勝の相手は佛教大だ。

文:岩瀬孝文

岩瀬 孝文

ノルディックスキージャンプの取材撮影は28年以上、冬季五輪は連続5回、世界選手権は連続12回の現地入り取材。スキー月刊誌編集長を経て、2007札幌世界選手権では組織委員会でメディアフォトコーディネーターを務めた。 シーズンに数度J SPORTS FIS W杯スキージャンプに解説者として登場。『冬はスキー夏は野球』という雪国のアスリートモードにあり、甲子園の高校野球や大学野球をつぶさに現場取材にあたっている。

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