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野球 コラム 2019年6月9日

明治大学、東京六大学の覇者が令和初の全国王者を目指す。全日本大学野球選手権

野球好きコラム by 明大スポーツ新聞部
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勢いは収まることを知らない。6月10日(月)より東京ドーム、神宮球場で開催される第68回全日本大学野球選手権大会に、明治大学は3年ぶりに出場する。

主将の一滴の涙が快進撃の序章だった。昨季から野手陣は総入れ替えとなった今季。明大の下馬評は決して高くはなかった。

開幕戦の立教大学1回戦では「みんな、かなり固かった」(北本一樹内野手・文4・二松学舎大付)と語るように、絶対的エース・森下暢仁主将(政経4=大分商)が2桁安打を浴び、打線も相手エース・田中誠也投手に完封負けを喫する厳しい船出。

そんな中、試合後「俺にもう1度登板させてほしい」と森下がチームメイトに涙ながらに第3戦での登板を志願。

日頃は寡黙な主将の涙に、ナインは「緊張してる場合ではない」と奮起。そこから10連勝の無双が始まり、優勝という栄冠につながった。

今季の明大の強みは一体感と勝負強さだ。主将の森下は投手というポジション上、目を配れない部分もあった。

写真:主将兼エースの大黒柱の森下。自らの投球で優勝を掴みたい

しかし、「試合に出ている4年生が協力的だった」(北本)と語るように主将任せにすることなくチームをけん引。

また、現在就職活動を行っているベンチ外の4年生も、早朝から積極的に練習のサポートを行い、一体感をつくり上げてきた。その一体感を象徴するのが早稲田大学2回戦だ。

下級生時より、右の大砲候補として期待されていた和田慎吾外野手(商4=常総学院)。しかし、オープン戦から不調が続き、この試合まで無安打。

そこで、普段は試合前に主将が行うアップの声出しを、和田が担当することをナインが提案。その結果、試合を決定づける2本の本塁打を放ち、スタンドで声援を送る部員たちからも、ガッツポーズと大声援が和田に向けられた。

スタンド・ベンチが一体となって戦う、真の全員野球の姿が垣間見えた瞬間だった。

勝負強さの面では今季は10勝中、8勝が3点差以内での勝利。チーム打率は.254と決して高くはないものの、少ない好機を確実に生かす打撃で勝利をつかみ取ってきた。

また、投手陣はチーム防御率がリーグトップの2.25を記録。失策もわずかに4つと守備面での安定も、勝負どころでの踏ん張りにつながった。

優勝の勢いのまま38年ぶりの全日本制覇に向けてまい進する。その柱となるのは森下となることは間違いない。

最速154キロの直球と豊富な変化球を武器に、今季は53イニングを投げ奪三振数は63と圧巻の数字を見せつけた。満票でベストナインを獲得し、名実ともに六大学のエースとなった。

糸を引いたようにキャッチャーミットに吸い込まれる自慢の直球で全国の猛者たちに勝負を挑む。

磯村峻平投手(文2=中京大中京)は今季主に中継ぎとして登板。6試合に登板し、防御率は1.86、自責点はわずかに「2」と安定感抜群の投球を披露。ピンチの場面でも簡単には相手に流れを渡さない。

写真:リーグ首位打者の添田。リードオフマンとして期待がかかる

打撃陣では打率4割で初の首位打者を獲得した添田真海内野手(法4=作新学院)が1番打者として攻撃の口火を切る。長打は少ないが、確実にヒットゾーンに打球を運ぶ職人芸を全国の舞台でも発揮したい。

喜多真吾内野手(法4=広陵)も開幕前までわずかリーグ戦通算2安打だったが、今シーズンで覚醒。打率はチーム2位の.364、チームトップとなる8打点を挙げ、不動の5番打者として定着した。自身初となるベストナインも獲得。持ち前のパワーでチームを勝利に導く。

初陣は6月11日(火)に神宮球場で午後2時時から神宮球場で行われる。上武大学vs.福井工業大学の勝者と対戦する。

上武大は関甲新学生野球連盟で最多の30度、福井工大は北陸大学野球リーグ戦で8連覇中と、それぞれ各地区を代表する強豪校であり接戦が予想される。

六大学の令和初優勝を果たし、歴史に名を刻んだ明大。次なる目標は令和初の全国王者だ。

文/写真:小畑知輝(明大スポーツ)

代替画像

明大スポーツ新聞部

1953年(昭和28年)創部。現在明治大学において唯一の学生新聞部。明治大学体育会43部の競技成績や、学内外の話題を幅広く紙面・WEBサイト上にて掲載、発信。 現在の部員数は56名。

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