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野球 コラム 2019年4月11日

【中日好き】福田永将、自分の役割

野球好きコラム by 森 貴俊
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野球好きコラム 中日好き

ドラゴンズの2019シーズンが始まった。福田永将はここまでスタメンは5試合。いずれもレフトで出ている。途中ファーストに回ることはあってもサードでの出場はない。

成績は出場9試合で23打席。打率.318、2本塁打、7打点(4月11日現在)。福田は開幕前のオープン戦19試合、打率.189と、苦しんでいた打撃に光が見えてきた。

オープン戦で調子が上がってこない理由は“角度”にあったようだ。福田はバットを構える際、軸足に重心を置きすぎていた。結果、後方に沈み込む格好になり、投手の投げるボールを、極端にいえば、下からのぞき込む形だった。

福田は「重心を平行にする事で、多少改善されました。軸足に重心を置きすぎて、バットが出てこない。出ないから体を振ってボールを飛ばそうとしてしまう。体が煽ってしまっていたんです。今はボールに対してバットを平行にぶつけるイメージです」と話す。

波留打撃コーチはこう説明する。「力を入れて振ろうと思えば思うほどバットは出てこない。打者ってそういう物なんですよ」。

「福田も同様に、打球を飛ばそう、打球を上げようって思うほどバットは出ないし、打球は飛ばない。自分の間に入れて、コンタクトすれば打球は自然に飛ぶんです。悪くなるとそこが見えなくなるんですよ」。

福田の復調を裏付けたのは、4月4日ナゴヤドームでの広島戦だった。カープ先発、岡田から放った放物線は、めったに見られないナゴヤドームのレフトスタンド5階席に吸い込まれた。

見事な打球だった。福田は「間違いなく自己最長距離ですね。飛ばそうとか上げようってイメージでなくバットをぶつける。押し込むってイメージですね」と話した。

ここまで全試合、サードでは高橋周平がスタメンで起用されている。キャンプでは同じポジションで争っていた福田だが、レフトでの起用が増えている。

守備位置について福田は「試合に出るためですね。それ以上はない。もちろんサードへの愛着はあります。でも、愛着だけでは試合に出られない。去年もさんざんサードの守備ではチームの足を引っ張りました」。

「守備が下手でいいとは思ってませんよ。だけど自分の役割は打つことだと思うんで。逆にレフトだろうと、サードだろうと打たなきゃ僕は意味がない。守備力で使ってもらえる選手ではない。そう思っています」と話す。

年明けのシーズンオフ、今年のキャンプ前に福田はこんな思いを語った。「根尾が入ってきて、京田を使って、そうなればサードが周平。僕が外れるって青写真になりますよね」。

「仮に僕が選手でなく球団の職員だとしても、やっぱりそうやって考えると思うんです。でも僕はプレーヤーなんで、そうなっていくのを指くわえて見ているわけにはいかないんですよ」

その思いは開幕してからも変わっていなかった。福田は「控えでいいなんて思っていません。僕を使うかどうかは監督の判断ですが、それでもスタメンに食い込んでやろうと思ってやっています」

試合前の身体のチェック、日々のウエイトトレーニング。準備段階を福田は語ろうとしないが、確実に意識は変化した。

4月10日、巨人戦。メルセデスから逆転ホームランを放ちチームを勝利に導いた。福田のホームランはいつでも見るものを魅了する。

打つ事こそ己の生きる道。打つことこそ自分の価値。役割を理解した今シーズンの福田永将は過去最高に強い。

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森 貴俊

1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!

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