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野球 コラム 2019年3月29日

【オリックス好き】拝啓、金子弌大投手、対戦を楽しみにしております

野球好きコラム by 藤原 彬
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自主トレを共にした東明大貴は「自分に対して厳しい方でした」と証言し、松葉貴大は「練習に対しての熱意や姿勢は『やはりエース』と思わせられるものでした」と振り返る。

高校時代に名門高で鳴らした吉田凌は、舞洲で見た姿が忘れられない。

「ポール間走は(走る距離が短くなるように)どうしても内側となってしまいがちですけど、金子さんはフェンスのぎりぎりを走るんですよ。何本も同じところを走っていました」

徹底ぶりは、グラウンドを離れても変わらない。

トヨタ自動車の後輩でもある青山大紀は「ロッカーが近かったんですけど、めちゃくちゃ綺麗なんですよ」と感嘆の声を上げる。「海田さんは『汚くても一流はいるけど、一軍で凄い人は綺麗好きが多い』と、よく言っています」。

若かりし頃、共にファームで汗を流した岸田護はこだわりの強さを示すエピソードを披露した。

「風が強い宮古島キャンプでランニングのメニューがありました。あいつは前髪を左右に分けていたんですけど、それが風に流されないように走るんですね。逆風で流されそうなときは、それが嫌で後ろを向きながら歩いて帰ってくる」

徹頭徹尾の姿勢に加えて、遊び心も持ち合わせたから、多彩なピッチングが生まれたのかもしれない。

「後ろから、よくちょっかいをかけられましたね」(武田健吾)といったチャームな一面はファンによく知られているし、「財布のお下がりを欲しいと言い続けていたらもらえました」(近藤大亮)という声も聞かれた。

「なんだかんだでいろんな人を見ているんですよ。いいところも悪いところも」とは比嘉幹貴。その観察眼は確かで、投手だけにとどまらず野手陣にも的確なアドバイスを送っている。

伏見寅威は昨季のキャリアハイの打撃成績が「金子さんのお陰」であると明かす。「金子さんが打席に立ったとき、追い込まれてからも低めの変化球を簡単に見逃すんですよ。いい当たりを打ったりもするので、なぜか聞いてみたんです。

そうしたら『打つ気がないからだよ』と言ってもらえて。打とうとしているからボール球に手を出してしまう。『打ちたくないと思いながら、来たら振る。その準備だけをしておけばいいんじゃない』と言ってもらいました。

調子が悪くなると、打ちたい気持ちが強くなってボール球にも手を出します。金子さんは常にそこをコントロールできる」。

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