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野球 コラム 2019年3月23日

【広島好き】ルーキー小園海斗、「持ってる」カープの新「51」番

野球好きコラム by 大井 智保子
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平成もあと40日で終わる。平成の終わりと共に、野球好きはもちろん、野球に興味のない人々まで魅了してきた大スター「#51 イチロー」が引退した。

東京ドームでのMLB開幕戦最中に、LINEでニュース速報が届き、会場中がざわつき始めた。平成最後のレジェンドがその歴史的瞬間に日本を選んでくれたことに感謝しかなかった。

日本の51番が東京ドームを沸かせる数時間前に、カープの新51番が神宮球場を沸かせていた。オープン戦13戦目、対ヤクルトスワローズ。

この日は「タナキクセイヤ」といった主力メンバーはベンチ入りせず、若手とベテランで組まれるなかなかレアなスターティングメンバー。

鉄壁のショート田中広輔と同じポジションのルーキー小園海斗にとっては、プロ初のスタメンということになる。

一方、ヤクルトスワローズは、先発の小川泰弘に山田哲人、バレンティンと、昨年セ・リーグ2位の強力フルメンバー。どんな試合になるのか、始まるまでは想像するのが難しかった。

結果は7-7で引き分けとなったのだが、8回まで3-7で負けていたカープは、9回に怒涛の追い上げをみせた。勢いをつけたのが、ルーキー小園。それまで4打席無安打だったが、5打席目にオープン戦第2号となる2ランホームランを打ったのだ。

さらに堂林翔太、サビエル・バティスタも小園の勢いに乗り、3者連続ホームラン。「七夕の奇跡」に継ぐ「春分の日の奇跡」。しかも、昨年35セーブ7ホールドの石山泰稚から。

外野では、「ホームラン、ホームラン、小園!」から「ホームランは絶対ありませんので…。ヒット、ヒット、小園!」と変わった瞬間にホームランを打つ、という珍事件が起きていたことが、また盛り上がりに拍車をかけていた。

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3月3日にオープン戦で小園にプロ第1号が出た際、高卒ルーキーのオープン戦でのホームランは大谷翔平以来と騒がれた。第2号ということは、ルーキーの大谷を上回ったことになる。

2013年当時、大谷はオープン戦22打数4安打の成績だったのだが、ちょうどこの日で小園も大谷と同じ22打数を終えた。結果は6安打と大谷を越える成績を残していることになる。

守備はさらに申し分ない。華麗なグラブさばきとハツラツとした足の動きで、見事なゲッツーを何度も見させてもらった。

いわゆる「持ってる」選手である。前51番の「神ってる」をも引き継いだのかもしれない。オープン戦からそれを出せてしまうのだから期待は計り知れない。

我々ファンの悩みは、「ショートは田中広輔がおるけん、小園は1軍ではなかなか出れんけど、苫米地鉄人さんぶりの高卒ルーキー開幕1軍が見られたら嬉しいよのぉ」。

「でも、将来のことを考えると2軍で出場機会が多い方がええかもしれんし、どうすればいいんかのぉ」ということになってくる。

こんな嬉しい悩みはない。人それぞれ希望はあるだろうが、どちらになったとしても「育成のカープ」で、これからすくすくと育っていく小園の成長にワクワクしない人はいない。

大井 智保子

大井 智保子

年間40試合以上は球場へ観戦に行く、広島県江田島市出身のカープファン(天谷世代)。「カープ女子」という言葉を世に広め、2014年にはユーキャン新語・流行語大賞でトップ10を受賞。"カープ女子神3"と呼ばれる。本業は広告代理店のOLだが、ライターとの二刀流を目指す! Twitterアカウント

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