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年が明けて、キャンプで再会しても、その印象は変わらなかった。むしろ、さらに“腹をくくった”ように見えた。
新加入した浅村栄斗が内田について、「あのパワーはすごい。山川(穂高)ぐらい」と感嘆したことを伝えても、内田は「それはないですよ」と一蹴。
さらに、「いくら練習で良くても、試合で打たなければ意味がないですから。でも、自分は練習からもいい姿を見せないと、試合にも出られないので」と激しい競争を生き抜く覚悟をにじませる。
キャンプでは浅村を食い入るように見て、打撃練習に勤しんだ。すぐに平石監督も、「雰囲気が似てきた」と笑うほどだった。
内田いわく、手の位置を少し真似したら、リラックスできたのだと認める。一挙手一投足を見て、よく考えて取り入れているようだった。
◆1人での泥臭い練習と配球データの活用
昨季ついに2桁本塁打を達成したものの、打率.198と2割を下回った。成績をあげるために今季から新しく始めたことはないか尋ねると、内田はデータの活用をあげた。
「特に配球データですね。戦略室の方と話をしながらやっていきたいです。今まで、データの活用はあまりやっていなかったのですが、そういうところも勉強していかないと、なかなか打てないのかなと。いろいろなデータを頭に入れていくことが大事かなと思うようになりました」。
最先端の情報を取り入れることを決意しながら、練習では手の皮が剥けても剥けてもバットを振るオールドスタイル。それも「僕のマメはそんなひどくないですよ。固くなったら削るだけ」と何でもない風にさらりと言う。
宿泊先の部屋では、窓ガラスを鏡にして、寝る前にも素振り。ストレッチや入浴など身体を休めることも留意し、その日のうちに自分の映像を振り返る。
そうして毎日、夜は10時11時には寝て、朝は6時に起きる。黙々とレギュラー奪取のため、すべての時間を注ぐ日々だそうだ。
「一軍に定着したことがないので、まずは定着。それから、昨年は2桁(本塁打)を達成できたので、それを20本、30本と伸ばして、リーグ優勝、日本一に貢献できるようにがんばりたい」。
ひたすらに進化を目指し、地道に努力を重ねてきた。秘めたパワーが人並みはずれているのは誰もが認めるところ。
内田はきっと、これからもにわかではなく、堅実に成長していくのだろう。それが結果として、“ブレイク”と呼ばれる日が待ち遠しい。
松山 ようこ
フリーランス翻訳者・ライター。スポーツやエンターテイメント関連コンテンツの字幕翻訳をはじめ、Webコンテンツ、関連ニュース、企業資料などの翻訳や制作を請け負う。J SPORTSでは、主にMLBや侍ジャパンのほか、2015シーズンより楽天イーグルスを取材し、コラムやインタビュー記事を担当。野球の他にも、幅広くスポーツ選手はじめ著名人を取材。Twitter @yokobooboo
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