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野球 コラム 2019年2月15日

【中日好き】鈴木博志、絶対的な存在へ

野球好きコラム by 森 貴俊
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野球好きコラム 中日好き

鈴木博志の2年目が始まった。沖縄北谷の1軍キャンプ。去年と比べても顔つきが精悍になっている。1日の終わり、去年のような疲労感は鈴木博志の顔からは感じられない。

陸上トラックでのメニューを見る勝崎トレーニングコーチは、「去年とは段違いでしょ。数倍、いや数十倍スタミナがついている。プロらしくなってきたね」。

「去年は息が上がり、足が攣り、目もうつろ、設定タイムはまず切れない。最後はヘロヘロになって1日を終えていた。今年はどうってことないって顔しているでしょ。なによりトレーニングに前向きになった。強くなったと思います」と話す。

鈴木博志は去年オフから、2年目の準備を進めた。セットポジションからの投球の改善。セットやクイックになると球威が大幅に落ちてしまっていた。

鈴木は、「このキャンプはほぼセットから投げていますね。セットからの球威もいい状態です。クイックになるとまだ少し体が突っ込んだり、力が伝わりきらない部分がありますが順調です」と手応えを話す。

さらに新たな変化球の習得もある。150キロのストレートに対し、同じ球速帯のボール。わずかに曲がるカットボールだ。

鈴木は「2センチ3センチ曲がってくれればいいんです。バッターにはストレートと思ってもらわないと意味がない。手元でわずかに芯を外すボールです」と明かした。

細かい努力も怠らなかった。歯の検診の際、噛み合わせの力を計測をした。鈴木博志の噛む力は、通常の人の3倍から4倍だった。そのためマウスピースを作成した。

ピッチング用、トレーニング用、そして睡眠時用の3種類だ。鈴木は「このキャンプもマウスピースを使っています。歯も体の一部というか、力を伝えるのに重要な物ですから。違和感はないですね。開幕後も使っていくつもりです」と話す。

マウンドで打者と対峙した際は、大好きなレッドソックスの絶対的ストッパー、クレイグ・キンブレルをより意識している。キャッチャーのサインを見る際、去年以上に深く腰を折り、帽子を目深にかぶっている。

「キンブレルみたいに、帽子を深くかぶって相手打者に目線を見せないのって、不気味だと思うんです。恐怖心を与えるような投手になりたいです」。

考え方も変わってきている。「去年は投げた後、ストライクかボールか、自分のフォームがどうだったとか、自分の中の問題とばかり向き合っていた。多分相手打者は僕の事は怖くなかったと思うんです」。

「このキャンプは、初球を大事にしています。ボールでもいい。すっぽ抜けてもいいから初球、相手打者が怖いと感じるくらいのボールを投げるようにしています。胸元いってのけ反らせたら、仮にそれがボールでも意味はあると思います」と話した。

2月中旬、与田監督は「まだ誰が抑え候補と僕は一言も言っていませんよ。今はそこに入ってくる投手を見極めていますから」と横一線を強調している。

しかし、鈴木博志は「もしやりたい投手は手を上げろ、と言われたら迷わず上げます。まだ経験はないし、力も足りない。分かっていますけど、でもやりたいんです」。

絶対的な抑え。ここへのルートはいばらの道だ。しかし、ここを望まない投手よりは間違いなく望む者が力をつける。プロ野球開幕時、新生ドラゴンズのストッパーには誰の名前があるのか。

いよいよキャンプ後半、ドラゴンズのクローザーレースから目が離せない。

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森 貴俊

1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!

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