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野球 コラム 2019年2月2日

【楽天好き】浅村栄斗、キャンプ初日の「戸惑い」と「落ち着き」

野球好きコラム by 松山 ようこ
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「ヨ・ユー、ヨユー」。全体ウォームアップから、元気に走っていたウィーラーがこう繰り返した。

ウィーラーなんだから(?)、そんな初日の朝から飛ばすなよとばかりにコーチ陣が「大丈夫か?」声をかけたのだが、当の本人は、こう言ってはちょっとドヤ顔。周りもほんわかと笑顔になる。

久米島キャンプ初日は曇り空。強めの風が吹く肌寒いグラウンドで、楽天イーグルスの選手たちは快活にトレーニングメニューをこなしていった。ただし、笑顔がこぼれるなか、時折そこかしこでとんでもない送球や打球が走る。

やはり、選手の素顔と秘めた闘志がこれほど顕わに見られるのは、キャンプならでは。逆説的なまでに、和やかなムードと競争が同居している日々には、シーズン中にはないドラマがある。

今季キャンプで最も注目を浴びているのは、新加入してきた打点王・浅村栄斗。彼が動けば、メディアがぞろぞろと大移動する。

それでも、朝から球場を行ったり来たりと熱心に選手たちの様子を見守る石井一久GMが、「初日だからどうかなと思ったけれど、張り切りすぎていないので安心した」と言うように、浅村は全身に浴びる視線にも臆することなく、自然体で練習しているようだった。

◆「直人さんがいて本当に助かった」

初日にお届けした、J SPORTSの生インタビューで岸孝之が、浅村について言っていた。

「野球のほうは心配することはないと思う。黙々とマイペースでやってくれたら、後輩たちもついてくるんじゃないかなと楽しみにしています」。

まさにその通りで、浅村はこの日の終わりになると、「普段から調整の軸として大切にしている」というロングティーを黙々と続けた。

しなやかでダイナミックなスイングのすぐ後に、響き渡るカーンという柔らかな打球音。放たれたボールは、次々と特大の弧を描いていく。当然、ここでもメディアやファンがにわかに集まった。

キャンプでは、野手は4人ずつグループになって、練習メニューをこなしていく。浅村は、島内宏明、田中和基、内田靖人と同組。

すると、まるで浅村に触発されたように、内田も持ち前の豪快なバッティングを披露した。島内、田中もいい表情でスイングを続け、汗を流している。

練習後、囲み会見に応じた浅村は「一緒に練習していたので見る機会が多かったのですが、田中、島内さんともに自分の思っている以上にすごいなと。特に内田とか、山川にも負けないんじゃないですか」と明かしている。

大勢のメディアに囲まれながらも、浅村は実に“マイペース”だった。どっしりと落ち着いていて、囲み会見も、まるで賑やかな食堂に座って雑談するかのよう。朴訥で誠実な話しぶりが印象的なのだ。

実際、戸惑うことも少なからずあったようだが、そんな人柄もあってか、周囲が手を差し伸べずにいられない様子が伝わってくる。

やりづらさは?と聞かれれば「わからないことだらけ」ユニフォーム姿は?と聞かれれば「まだ慣れないですね」と照れる。

そして、「でも、みんなが声をかけてくれるんです」とはにかむのだ。特に渡辺直人は、「浅村がわからないであろうこと」に先回りをして、手を差し伸べるのだという。

「直人さんがいて本当に助かっています」と、浅村は相好を崩す。こうして楽天のみんなから歓迎された浅村は、テレビカメラの前で質問を受けた時は、すっと胸を張るとプロの表情になって、こう語った。

「期待されていることはプレッシャーでもありますが、やりがいでもあります。だから、今年は去年以上の成績を残して、ライオンズを倒して優勝したい」。

松山ようこ

松山 ようこ

フリーランス翻訳者・ライター。スポーツやエンターテイメント関連コンテンツの字幕翻訳をはじめ、Webコンテンツ、関連ニュース、企業資料などの翻訳や制作を請け負う。J SPORTSでは、主にMLBや侍ジャパンのほか、2015シーズンより楽天イーグルスを取材し、コラムやインタビュー記事を担当。野球の他にも、幅広くスポーツ選手はじめ著名人を取材。Twitter @yokobooboo

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