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「勝ちに行く」「1点の重要性」「粘り強く戦う」……。
いずれも侍ジャパンの稲葉監督が、この日米野球で力強く選手たちに伝えた言葉だ。11月9~15日に行われた、4年ぶりの日本とMLBオールスターとの対戦シリーズは、5勝1敗で日本が見事に勝利。
メジャーリーガーも目の色を変えて、「本気で戦う」と挑んだようだが、侍ジャパンとはチームの礎と目的に差がありすぎたかもしれない。
侍ジャパンは来年に開催される「WBSCプレミア12」、そして何よりも2020年の「東京オリンピック」への布石として、このシリーズを戦うことで一貫していたのだ。
今回、菅野智之(巨人)や筒香嘉智(DeNA)ら、主軸は欠いたものの、初選出の岸孝之(楽天)や笠原祥太郎(中日)をはじめとする投手陣が、それぞれの持ち味を発揮。
野手でも、柳田悠岐(ソフトバンク)や秋山翔吾(西武)を中心に存在感を示し、連日変わる先発メンバーと日替わりヒーローに、MLBの投手陣にも「脱帽だ。混乱する」と言わしめた。
◆「勝つことが楽しみ」と明かしたMLBチーム。投手陣は”小ぶり”も野手陣は実力者揃い
オリンピック前哨戦を兼ねた侍ジャパンとは異なり、来日したMLBオールスターにとって、同シリーズはエキシビジョン・ゲーム。
いろいろな選手に話を聞いたが、彼らの言う「出るからには全力でプレーして勝ちたい」という熱意は、「日本を楽しむ」ことと同義で、少なからず先を見据えたものではなかったように思えた。
中には、ヤディエル・モリーナ(カージナルス)やミッチ・ハニガー(マリナーズ)のように「オリンピックに出たい」。
さらにヘクター・ベラスケス(レッドソックス)のように「日本でプレーしたい」と明かすなど、先を見据えた選手もいたが、多くは「勝つことが楽しみ」と、至ってシンプルに目の前の試合に臨んでいた印象だ。
もちろん、彼らも本気だった。チームを率いたドン・マッティングリー監督(マーリンズ監督)は、選手時代から日本野球に多大なリスペクトを払ってきたことを明かした。
そして、「投手陣はトップ選手を揃えることはできなかったが、野手陣は実力のある選手ばかり。持てる力を発揮してもらって、勝つために全力を尽くす」と記者会見で表明。
同監督の腹心とも呼べる捕手のJ.T.リアルミュート(マーリンズ)は、共に来日した元日ハムのクリス・マーティン(レンジャーズ)に、日本のピッチャーの特徴を尋ねるなど攻略に熱心だったという。
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