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野球 コラム 2018年12月21日

【中日好き】三ツ間卓也、弱点から自分を知る

野球好きコラム by 森 貴俊
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野球好きコラム 中日好き

12月中旬、トレーニングルームから汗を流し、ドラゴンズ三ツ間卓也が出てきた。片手にタオル、片手にノートを持っていた。何が書かれているのか気になって見せて頂いた。

手書きでびっしり、記号が並んでいる。そして大きく“徳島インディゴ コンディショニングハウス”と書かれていた。

三ツ間は「簡単に言えば、ここには球速アップの為にトレーニングを行う場所です。ここで学んだトレーニング方法が書かれています。1週間メニューを組んでこのオフ取り組んでいます」と話す。

「NC×10 2T1×10」。記号化してあるが、一つ一つに意味があり内容が違う。徳島で身体の全てを計測し、三ツ間は改めて自分の弱点を発見した。

「両足でジャンプをしたら、平均以上の高さまで飛べる。でも片足で跳ぶと平均を下回る。筋力でなく片足から体への力の伝え方ができていない」。

「ピッチングは片足から片足。両足を同時には使わないですよね。持っている力をボールに伝えられていないんです」と解説してくれた。

今シーズン、1軍登板はわずか4試合に終わった。しかし、2軍戦では34試合、防御率2.43を残した。シーズン後、小笠原2軍投手コーチに思いの丈を吐き出した。

「結果は出ていると思っていたのに、1軍に呼ばれるのは僕以外の投手ばかり。やるせない気持ちでいた事をコーチに言いました。なぜ、自分じゃないのか。理由を知りたかったんです」

そこで三ツ間は自分の持ち味を改めて気づかされた。

「小笠原コーチからは、結果抑えてはいたが、お前の本来の持ち味は何だ?と言われました。強いボールで相手の胸元を思い切って突いていく強気の投球じゃないのかと」。

「低めに丁寧に集めて打たせてとるピッチングに見えたと言われました。言われてみれば、結果ばかりを欲しがっていた。数字の見栄えばかり気にして自分の投球をあまり考えていなかったですね」と話す。

少しは躊躇しそうな言葉も、三ツ間はシーズン後、監督やコーチにぶつけた。

「嫌われるかもしれないし、面倒くさい奴って思われるかもしれない。でも来年、ユニフォーム来ていられるか分からない立場ですから。秋からアピールしないと。他の選手からいやらしいって思われてもいい。綺麗事だけでプロ野球は続けられないです」。

自分の投球を取り戻す。進化した自分を手に入れる。身体を測定し、弱点を洗い出した。

「ボールの強い選手を見ていると、リリース後、踏み出した足が突っ張る傾向が強い。地面からの反動を身体からボールに伝えている。特徴的なのはエンゼルスの大谷君だと思います。投げた瞬間、踏み出した足が後ろに飛ぶ感じですよね」。

「そのために必要なのはブレーキ。ブレーキをかける筋肉は身体の背面に多い。150キロ投げる能力があってもブレーキをかける筋肉が備わっていないと人間の身体は本能でそれを抑制するみたいです」。

「そうしないと身体が壊れてしまうから。トータルで考えて自分のボールを取り戻したい」。自分がどう変わるのか。目を輝かせる三ツ間自身が楽しみにしているようだった。

新生ドラゴンズのセットアッパーを担う為、三ツ間は12月、無駄な時間は過ごさない。

オフは1人で練習をする。仲良しこよしを好まない。綺麗事は言わない。チーム以前に全ては自分の為に。やれることは全てやる。後悔はしたくない。

けれん味ない言葉から三ツ間卓也の覚悟を感じた。

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森 貴俊

1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!

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