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野球 コラム 2018年12月11日

【中日好き】福田永将、真の大砲になる為に

野球好きコラム by 森 貴俊
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野球好きコラム 中日好き

和製スラッガー。ホームランバッター。長距離打者をこの言葉でくくると実に分かりやすい。

ドラゴンズでは福田永将がそれになる。“天性”といっていい。幼い頃から培った感覚。ボールを遠くに飛ばすポイントを持っている。

そんな福田が今シーズン、飛ばし屋として自信を失いそうになった人物がいる。西武ライオンズの山川穂高だ。

2018シーズンは47ホームラン。本塁打王に輝いた。開幕前の西武ライオンズとのオープン戦、山川の練習を注目していた福田は愕然とした。

「フリーバッティングでスタンドに全部放り込むんです。結果、全て入りました、ではないんです。全部入れるつもりで打っている。少々崩れても強引でも、とにかくスタンドに入れるっていう打ち方をしている。あれには本気で驚きましたね」。

和製大砲とは何なのか。自信を失いかけたが、冷静に1つ1つ福田なりに分析していた。そして山川と自分の3つの違いを挙げた。

「僕との一番の違いは、パワーです。はっきり言って段違いですよ。少々こすっても、体勢が崩れてもスタンドまで運んでしまう力がある。もう1つは打ち方が違います」。

「山川は身体の中心から前で打てる。力があるからそれに合うバッティングだと思うんです。僕の打撃はテイクバックから来たボールを迎え撃つ。最後は恐らく考え方が違いますね」。

「以前、山川はホームランにできるボールは、全てホームランにするって話していました。その考えは僕にはない。ないというか、できないです」。

「場面によってはホームランを頭から捨てる場面も多々あります。ここは単打でいいと。結果ホームランにできたかなって思う時も少しはありますが、それを言い出したらキリがないと思いますし」。

福田はホームランを主軸に打撃を作ってはいない。では福田にとってホームランとは何なのか。「和製大砲と呼ばれる事は好きです。そこにカテゴライズされる事を嫌とは思いません」。

「現状、その数字がついてきていないのは僕の実力不足だと思っています。もっと打ちたいですよ」。

福田は決して、ホームランに消極的になっている訳ではない。

今年ドラゴンズを退団した土井正博打撃コーチはこう語っていた。「飛ばし屋ってのはね、天性のツボをもっているんです。そのツボに入れば見事な打球が飛ぶ。福田にはそれがあるね。だけど狭い」。

「相手投手もそれは分かっているから、何とかタイミングをずらして工夫するわね。そのツボに入れる範囲を広げていかないといけない。それが打者の引き出しってやつかな」。

ホームランを狙って打つにはリスクもある。そのリスクを山川のようにパワーで補えるほどではない。パワー以外で補っていく事が、福田の今後の課題だろう。

福田は「打ち方を大きく変えるつもりはないんですが、僕の場合はボールを捉える前、タイミングの取り方にもう少し工夫が必要かなと思っています」。

「僕はタイミングをとるのが下手なんで。土井さんのいうツボ。自分の間に入れ込むタイミングの取り方を何とかこのオフ、手に入れたいです」。

さらにチーム事情も踏まえ福田は、「根尾君が入ってくる事もありますが、内野の競争を考えても自分の強みは何か。打つことだと思うんです」。

「率ももちろんですが、競争相手に無くて自分にある物は長打力。大きいのが打てるってのは、僕の武器かなと思います」。

「自分では打撃フォームがちょっとダサいって思っているんですよ。でも子供たちが結構真似してくれているみたいなんで。それも特徴かなと思っています」。

「ホームランをもっと打てばもっと真似してくれると思うから。来年はもっともっと打ちたいです」。

ツボにはいった福田の打球は見る者を魅了する。打席に立てば、子供たちはいつだってホームランを期待する。その期待から来シーズンも福田永将は逃げずに立ち向かう。

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森 貴俊

1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!

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