ベスト4を賭けて、ドラフト指名選手や実力者の活躍に期待。社会人野球日本選手権

社会人野球の“実力日本一決定戦”として知られる「第44回 社会人野球日本選手権」が、11月1日から京セラドーム大阪で開催されている。9日（金）と10日（土）は準々決勝、11日（日）に準決勝、12日（月）に決勝戦が行われる。

日本選手権は春から各地で開催されるJABA大会、都市対抗、全日本野球クラブ選手権の各優勝チームと、各地域の最終予選を勝ち上がった計32チームが参加する。都市対抗とは違い、予選で敗れたチームからの「補強」がない単独チームの大会だ。

◆東海対決：ドラフト右腕を擁する三菱重工名古屋、来季ドラフト候補多数のHonda鈴鹿

10日（土）の第2試合に組まれる注目カードが、三菱重工名古屋とHonda鈴鹿の東海対決だ。

三菱重工名古屋は1回戦でカナフレックス、2回戦でJR東日本東北を下してベスト8入りを果たしている。

1回戦は右腕・服部拳児と右サイドの技巧派・西納敦史の継投で乗り切り、2回戦は満を持して勝野昌慶が登板。

勝野は中日の3位指名を受けている高卒3年目の右腕で、150キロ超の速球を持つ本格派だ。勝野は2回戦で7回3分の2を自責点1、9奪三振と好投し、2回戦の勝ち投手になった。

2番・ショートで起用されている大卒2年目の秋利雄佑は常葉学園菊川高を卒業後にアメリカへ留学し、カリフォルニア州立大ノースリッジ校を経て入社した変わり種。

182センチ・85キロと大型だが堅守と小技も兼ね備えており、MLBのドラフトでも指名候補として名前が挙がっていた。

Honda鈴鹿は1回戦で沖縄電力に10-1と快勝すると、2回戦は都市対抗王者・大阪ガスを3-1で下した。延長12回のタイブレークに代打・西川元気の放ったタイムリー安打が決勝点となった。

1回戦、2回戦ともに先発を任されたのは大型左腕・平尾奎太だが、長いイニングは投げていない。左腕・竹内諒、右腕・柳澤一輝の「早大コンビ」が2番手、3番手で起用されて好投するなど、好投手が目白押しだ。

また、右腕・瀧中瞭太が2試合とも「クローザー」として継投の締めに登板している。瀧中は150キロ台を記録したこともある本格派で、2回戦は5イニングを被安打2、四死球1の無失点で封じている。

平尾、竹内、瀧中は大卒2年目、柳澤は1年目と、野手も含めて若手の有望株が多いのも特徴。

3番・指名打者の松本桃太郎、5番・捕手の柘植世那も今ドラフトは指名漏れとなったが、2019年のドラフトで声がかかっても不思議のない存在だ。

◆実力者が揃う東芝vs.新日鐵住金広畑

10日（土）の第3試合でついにベスト4が出揃う。準々決勝の最終カードは東芝と新日鐵住金広畑の対戦だ。

東芝は1回戦で都市対抗準優勝の三菱重工神戸・高砂、2回戦でJR東海を下している。

1回戦はエース岡野祐一郎が2失点完投勝利。9日の2回戦は岡野が5回途中に降板したものの、2番手の左腕・福本翼が好リリーフを見せて6-4の逆転勝利を挙げている。

連戦とあって投手陣のやり繰りは容易でないが、新人の本格派右腕・宮川哲、左腕・加嶋宏毅がここまで未登板。いずれもこの大舞台に登場しても不思議のない実力者だ。

また、岡野は今ドラフトの指名こそ逃したが、140キロ台中盤の速球と絶妙の制球力、鋭いフォークを持つ好投手で、彼がやはり軸になるだろう。

今大会は1番・ライト石川桜太が7打数4安打と当たっている。また1回戦で逆転本塁打を放ったベテラン大河原正人も代打で控えるはずだ。

新日鐵住金広畑は1回戦で強豪・トヨタ自動車、2回戦で大和高田クラブを下している。今ドラフトでヤクルトの5位指名を受けた坂本光士郎は1回戦、2回戦とも2番手で登板。

まず、トヨタ戦は3回途中からリリーフし、5回3分の2を自責点0に封じる好投を見せた。2回戦も7回以降の3イニングを零封している。

坂本は180センチ・71キロと体形こそスリムだが、上半身に巻き付くような腕の振りが特徴。140キロ台後半を計測する速球と、横に滑るスライダーを武器としている本格派左腕だ。

他にも2回戦で6イニングを零封した3年目の技巧派右腕・尾嶋佳太が主戦格として頼りになる存在だ。

打線は1回戦の10回にサヨナラ安打を放ったレフトの佐々木建介が、2回戦は5番から4番に上がった。1番・ライトの椎名潤は2回戦で4打数3安打と猛打賞を記録し、上り調子だ。

★準々決勝：JFE西日本vs.日本生命のみどころはこちら

◆11月10日（土）社会人野球日本選手権準々決勝　放送予定
・11:00　JFE西日本 vs. 日本生命
・14:30　三菱重工名古屋 vs. Honda鈴鹿
・18:00　東芝 vs. 新日鐵住金広畑
※J SPORTS 2で生中継、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信