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野球 コラム 2018年10月29日

若き侍ジャパン、延長タイブレークに散る。U-23ワールドカップ決勝

野球好きコラム by 大島 和人
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第2回 WBSC U-23ワールドカップに参加中の侍ジャパンU-23代表は、29日にメキシコとの決勝戦へ臨んだ。延長戦にもつれ込む展開の末、1-2と敗れて2連覇を逃している。

メキ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2|2
日本 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1|1

日本は近藤弘樹(東北楽天)が先発。2回表には二死から連打を浴びて二死1・2塁とされ、更に右前安打を浴びる。

しかし、周東佑京(福岡ソフトバンク)の好返球で二塁走者を本塁で刺してピンチ脱出。周東は韓国戦の3刺殺に続き、今日も守備で日本を助けた。

メキシコはオープニングラウンドで7-2と勝利している相手だ。しかし決勝戦の先発モラレスはツーシーム系の「動く速球」とチェンジアップを駆使して好投。

日本打線は次々に内野ゴロで凡退し、5回終了時点で無安打と苦しむ。6回二死から大河(横浜DeNA)が左前安打を放ったものの、9回を終えてわずか1安打と苦しんだ。

メキシコ打線は7回無死から5番・ウレーニャが中越えの二塁打を放ち勝ち越しのチャンス。8回にも無死からの出塁に成功したが、どちらも近藤が切り抜け、9回から左腕・成田翔(千葉ロッテ)にスイッチする。

メキシコも9回からオルダスが登板。両先発投手が揃って8イニングを零封したことで、試合は引き締まった展開となった。

9回を終えても0-0と決着がつかず、試合は10回からタイブレークに入る。攻撃は継続打順で、無死1・2塁の状態からスタートする。

先攻のメキシコはバントで送って一死2・3塁とし、9番・マシーアスの中前タイムリー安打で走者二人を迎え入れる。しかし、成田、水野匡貴(ヤマハ)が後続を封じ、日本は2失点にとどめた。

10回裏の日本は4番から始まる好打順。内田靖人(東北楽天)がバントで送り一死2・3塁とすると、5番・安田尚憲が二ゴロで倒れたものの三塁走者が生還。1-2と1点差に詰め、二死3塁と得点圏に走者を残す。

日本は更にメキシコ投手陣の制球難につけこみ、6番・原澤健人、7番・堀内謙伍が連続四球で出塁。メキシコを「あと一歩」まで追い詰める。しかし、8番・西巻賢二が二死満塁から右飛に倒れて追いつけなかった。

日本は決勝こそ惜敗を喫したが、7勝1敗で大会を終える堂々の準優勝。8試合で10失点、失策ゼロという堅守は特に大きな収穫だった。

決勝戦でも好投した近藤は、2試合15イニングを無失点で投げ切っている。17三振を奪った一方で、与えた四死球はわずか2つという安定感が光った。

今大会で活躍が目立ったのは千葉ロッテ勢。安田尚憲が打率.393、1本塁打、8打点で大会MVPと、ベストナイン(一塁手)を獲得した。

右腕・種市篤輝は2試合に登板して2勝を挙げ、左腕・成田翔も5試合、7回3分の2を防御率1.17と好投してベストナイン(救援投手)に選ばれた。

侍ジャパントップチームの監督を兼任し、11月9日からは日米野球に臨む稲葉篤紀監督は悔しさを垣間見せつつ、こうチームを讃えていた。

「日に日に結束力を増して、みんなで一つになって戦うという姿勢を見られたし。頼もしく思いましたし、非常にいいチームでした」。

選手たちが国際大会の経験と悔しさを日本へ持ち帰り、それを糧にして次の舞台で輝くことを願いたい。

大島 和人

大島 和人

1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty

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