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野球 コラム 2018年10月24日

【中日好き】福田永将、引くべき一線

野球好きコラム by 森 貴俊
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ドラゴンズの2018シーズンが終了した。選手会長としてチームを引っ張ってきた福田永将はこう振り返る。

「シーズン通して1軍にいる。これまでできなかった、故障なくシーズンを完走する事は僕の中で目標だったので、それは素直に嬉しいです。だけど、そこに成績がついてきたかと言えば、はっきり言って不完全燃焼ですね」。

133試合出場。規定打席に到達も13本塁打、63打点は本人としても納得いかない部分だ。「去年はコーチの話を動きに反映できたんですが、今年はそれが難しかった」。

「まあ、色々言われますが、ちょっと考えないといけません。やり方や考え方も含め、そろそろ自立しないといけません」と話す。

シーズン終了後、大島洋平から言われた言葉が福田の胸に響いた。「周りの意見も大事だけど、もういいかげん自分のやり方や考え方を確立しなきゃダメだ。自分で考えてやれ」。

福田は「キャンプなど練習メニューに従ってやることも大事です。だけど、どうしても決められた量を消化していく事に追われる。自分の感覚で、もう少しやりたくても、次に控える選手に場所を譲らないといけない」。

「そこでとことんやっていくって事はキャンプだとできないんです。大島さんが言うように、自分で時間を作って自分でやっていく方法を、このオフに作ろうと思います」と説明した。

大島は年明け、毎年後輩を数人連れて大阪で自主トレを行う。今年は松井佑介と高橋周平、遠藤一星を連れて行った。

仲良しこよし”ではダメ。プロ野球では昔から言われる言葉だ。

では、大島の自主トレに参加してみては?そんな質問をしたら、福田は即答で否定した。

「それはできません。周平がいるから」。

一瞬ドキッとする返事だったが福田は理由を説明する。「仲が良い悪いではなく、やっぱりライバルなんで、そこは一線を引かないといけません。今のチームでは、やはり周平と僕はそういう関係だと思うんです。だから周平と一緒にはできないです」。

引退した浅尾拓也は吉見一起と同級生、しかし、現役時代一緒に食事をした事は殆どない。それはお互い意識的にそうしていたという。同じくユニフォームを脱いだ野本圭は平田良介と寮生だった頃、同じタクシーでナゴヤドームに行った事は一度もないと言う。

しかし、吉見は浅尾に「最高の投手だった」と賛辞を送り、野本の最終打席を見た平田は涙を流した。仲の良し悪しではない。プロとして、そしてライバルとして意識する相手には、引かなければならない線がある。

退団した森脇コーチはシーズン終了後こう話した。「今年は福田と周平はサード、セカンドでほぼ固定になったけど、まだ早い。来年のチーム事情はどうなるか分からないが、僕はあの2人を競わせたほうがいいと思うんだ。それが2人の為になるし、結果チームの為になる事だと思う」。

冬の間でもナゴヤ球場に行けばチームの誰かがいる。常に一緒に練習してくれる仲間がいる。いい環境とは、言い方を変えれば甘い環境でもある。引退した荒木雅博が言う一言に集約されていた。

「うちのメンバーには、ポジションを勝ち取る経験がない」。

福田は「秋のキャンプはメニューをこなしますが、冬は横浜でトレーニングをしようと考えています。とことん自分と向き合う事にしようかと思います」。

「大島さんや荒木さんの言葉通りですね。自分でやらないと。勝ち取らないといけません。練習場や手伝ってくれる人の確保から、全て自分でやってみようと思います」。

誰かに頼っているようじゃダメ。それが監督やコーチでもダメだ。そんな言葉が福田の胸から聞こえてきた気がする。福田は来シーズン今より大きくなるために。そして勝ち取る為に。自分の殻を破る秋の戦いはもう始まっている。

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森 貴俊

1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!

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