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野球 コラム 2018年10月12日

マエケン所属のポストシーズン常連チームvs.最強中継ぎ陣を持つダークホース。ナ・リーグチャンピオンシップのみどころ

MLBコラム by 松山 ようこ
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◆ナショナルリーグ チャンピオンシップ第1戦
10月13日(土)午前9:00 ブルワーズ vs. ドジャース J SPORTS 3

現地12日(日本時間13日)に開幕するナ・リーグのチャンピオンシップシリーズは、“今年も”優勝候補の筆頭とされるドジャースと、今年一番のダークホースとして勢いをみせるブルワーズが対戦する。

ディビジョンシリーズでは現地7日、ブルワーズがロッキーズを3連勝でスウィープ。勢いそのままにリーグ優勝決定シリーズ進出へと一番乗りをした。

対する、前田健太の所属するドジャースは、ブレーブスに2連勝の後、敵地で1敗するも、翌8日に勝利して、3勝1敗で同シリーズを制覇した。

ドジャースがリーグ優勝決定シリーズに進出するのは、これで6年連続。ブレーオフ出場も32度目となり、7度目のワールドシリーズ制覇への期待はこれまでになく高まっている。

ブルワーズは、7年ぶりの優勝決定シリーズ進出となり、プレーオフ出場はこれが5度目。ワールドシリーズ制覇の経験はまだない。

ポストシーズン前、ドジャースが「勝ち進むのは当然」と目されていた一方で、ブルワーズは「勝ち進むことはない」との見方が大多数だった。

今、こうしてチャンピオンシップシリーズに進出してもなお、依然として「ドジャースが勝つだろう=ブルワーズは勝ち進めないだろう」との見方は強いが、果たして。

◆ドジャースに期待されるのはは「ワールドチャンピオン」のみ

5回戦制3戦先勝の地区シリーズとは異なり、7回戦制4戦先勝となる地区優勝決定シリーズ。つまり、これまで以上に選手層と総合力が勝敗を左右することとなる。常勝ドジャースは、そうした面からもブルワーズより優位と見られる。

ドジャースは、ホームランバッターを揃えた強力打線にメジャー最高左腕エースのクレイトン・カーショウを筆頭に、ピッチャー陣も粒揃い。オフェンス、ディフェンスともに選手層が厚い。

それもそのはずで、2014年に締結した7年2億1500万ドルというカーショウの大型契約を始め、チームの年俸総額はメジャートップなのだ。

近年、大金をはたいてトップ選手を揃えてきただけに、「ワールドチャンピオンにならなければ意味がない」との宿命を背負わされたチームでもある。

だから、ドン・マッティングリー前監督は、3年連続でチームをプレーオフに導いたが、その間はリーグ優勝決定シリーズ敗退、2年連続地区シリーズ敗退、とワールドチャンピオンが“遠のいた”責任を取って、2015年シーズン限りで辞任している。

2016年にデイブ・ロバーツ監督が就任してからのドジャースは、同年にリーグ優勝決定シリーズで敗退を喫したものの、昨年はワールドシリーズの最終第7戦で惜しくも敗退と、ワールドシリーズ制覇目前まで迫った。

ともあれ、長らく常勝軍団としてポストシーズンを戦い続けているが、最後にワールドチャンピオンになったのは1988年。今年こそ、30年ぶりにワールドシリーズ制覇を成し遂げたい。

◆勢いとブルペンだけじゃない。確かな自信と底力のブルワーズ

だが、対するブルワーズの自信もゆらぎない。チームは実に、レギュラーシーズンの9月22日以来、ポストシーズンに突入してから、ここまで11連勝中(!)。地区シリーズでは、強力ロッキーズ打線を、全3戦で打率.146、ホームラン0本、わずか2失点に封じ込めた。

その結果、ここまででポストシーズンのチーム防御率は両リーグ合わせてもトップの0.64(ドジャースは2.06)。自慢のブルペン陣も、鉄壁のリリーフでたすきをつないでいる。

攻撃陣もバットがよく振れていて、チーム打率もリーグトップの.272(ドジャースは.210)。そうした好循環がめぐり、先発陣も好投し始めている。

当初から、先発投手にエース格がいないと不安視されていたブルワーズ。地区シリーズの初戦には、先発経験がほとんどない中継ぎルーキーのブランドン・ウッドラフを開幕スターターに任命して話題を呼んだ。

それからは自慢のブルペンをフル稼働させつつ、早めの継投策で勝利をもぎとった。次も、クレイグ・カウンセル監督の投手起用に注目したい。

カウンセル監督は、リーグ優勝決定シリーズでも、「リリーバーは状況に応じて引っ張る(回またぎをさせる)」としている。

ちなみに、対するドジャースのロバーツ監督は、先発が試合をつくることを前提に考えてか、「対戦相手との相性を考慮して、細かな継投を考えている」と明かしている(MLB公式サイト)。

150キロを(ゆうに)超える剛速球や独特の変化球を操るピッチャーが揃う両チームの決戦。メジャーならでは、両監督ならではの投手リレーは、大きなみどころになりそうだ。

松山ようこ

松山 ようこ

フリーランス翻訳者・ライター。スポーツやエンターテイメント関連コンテンツの字幕翻訳をはじめ、Webコンテンツ、関連ニュース、企業資料などの翻訳や制作を請け負う。J SPORTSでは、主にMLBや侍ジャパンのほか、2015シーズンより楽天イーグルスを取材し、コラムやインタビュー記事を担当。野球の他にも、幅広くスポーツ選手はじめ著名人を取材。Twitter @yokobooboo

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