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野球 コラム 2018年8月5日

【中日好き】藤井淳志、ベテランの工夫

野球好きコラム by 森 貴俊
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泣きっ面に蜂となった。7月20日から神宮での3連戦。ドラゴンズは同一カード3連敗を喫した。

さらに外国人、モヤの有鉤骨骨折、アルモンテの手首の故障も重なり、1軍登録抹消。誰もが目を覆いたくなるような状況に陥ったが、土俵際から再び混戦に加わった。沈みかけた船をもう一度軌道に戻したのはベテラン藤井淳志だ。

週明け浜松での横浜DeNA戦では4安打、4打点の大暴れ。存在感を示した。好調は1試合で終わらない。アルモンテが1軍に復帰した8月1日までの間、27打数10安打 打率.370、2本塁打、12打点をマークしている。

代役、穴埋め、こういった言葉を使いがちだが、藤井はこれを結果で否定した。

「控えでいいって思った瞬間からダメになる。アルモンテに負けていると思ってやっていないですよ。だから行けと言われた試合は、最高のパフォーマンスを出せるように毎日準備していますね」と話す。

この好調を生み出した要因の1つに、藤井のある工夫があった。藤井は今シーズンから使用するバットは、先が抜いてあるモデル(写真右)を使用していた。

理由を尋ねると「当然先が抜いてある分、スイングの最後、振り抜きがいいんです。ヘッドが走る。今シーズンはこの感覚で春先はスタートしました」。

しかし長いシーズンを戦う中で感覚は変わる。スイッチヒッターである藤井は特に左打席で、この先が抜いてあるバットに違和感を覚えていた。

藤井は「左の打席は手首が返るのが早いなって感じだしていて、本来センターへ抜けるような感覚も手首が早く返る分ショートゴロになってしまうんです」。

「だから浜松の前に、左打席だけ、先の抜いていないバット(写真左)に戻したんです。浜松ではその決断がドンピシャで当たりましたね」。

通常、選手はそのシーズン戦う形をキャンプまでに作る。肉体、フォーム、そして道具。そして、それをシーズン中に変更する事を、どちらかというと嫌う傾向がある。しかし、藤井は自分の感覚を信じ、躊躇なく変えた。

左打席は先の抜いていないバット、それで続けるのかと思いきや、7月28日東京ドーム巨人戦。相手先発は球界を代表するエース菅野。藤井はライトへホームランを放った。

「最初の打席は先の抜いていないバットだったんですが、カットをひっかけるイメージで打ってやろうと。その為には手首が早く返る方がいいなと思い、途中から先の抜いてあるバットに戻しました」。

「ホームランは出来すぎですが、イメージ通りのバッティングでしたね」と説明してくれた。

浜松の翌日、ナゴヤドームでの横浜DeNA戦。相手先発は左の浜口。スタメンは藤井でなく松井佑介だった。

それを知った藤井は、人目をはばからず打撃コーチに不快感をあらわにした。藤井は「右打席での打率が悪いからと説明がありました。まあ、悔しいですがしょうがないですね」。

今シーズン、チームは危険エリアに突入しても、何度も踏みとどまり混戦に返り咲く。それを可能にするのは、ベンチでいつでも目をギラギラさせている選手達だ。

藤井は「控えと思ったらそこまで。老け込みたくないから」と笑って話す。8月の混セ、ドラゴンズが抜け出す可能性はまだ十分残されている。

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森 貴俊

1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!

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