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野球 コラム 2018年7月20日

【中日好き】佐藤優、今こそ成長を

野球好きコラム by 森 貴俊
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セットアッパー陣が軒並み苦しむ中、6月下旬、佐藤優は1軍に呼ばれた。今季2度目の1軍昇格。4月の昇格時はわずか1試合の登板。3失点で再び2軍に降格となった。

2軍での成績は今シーズン、17試合、先発、中継ぎ、抑え、全てのポジションを経験し、45イニング防御率1.40。堂々とした数字を残し1軍再昇格を果たした。7月9日に3失点を喫したものの、今、佐藤は本来の持ち味を発揮しつつある。

独特の腕の振り、力強いストレート。7月17日の広島戦では2イニング6人のパーフェクトピッチを披露した。

しかし、佐藤は自らの投球には課題が多いと話す。「ボールが抜けたり、引っかけたりは減りましたが、逆球で結果的に打ち取ったピッチングが多いです。意図した打ち取り方ではないんです」。

7月4日甲子園、阪神戦で1回2/3を無失点に抑えた翌日、ベテランの吉見一起にこう聞かれた。「佐藤、昨日の福留さんは、どういう意図を持って打ち取ったんだ?」。

佐藤は言葉に詰まった。「吉見さんに聞かれても、結果オーライで打ち取った内容だったので説明できなかったんです。こう思っていたという説明は出来ても、1球もその通りのボールが無かったんで」。

「吉見さんからは、結果オーライでいい時もあるが、自分でどういう意図をもって打ち取るかをしっかりやっていかないと成長は無いぞと言われました」。

朝倉投手コーチは「どちらかと言うと佐藤は悩みすぎる傾向が強い。マウンド上では割り切ればいいのに、ああでもない、こうでもないが始まってしまう」。

「今は引っかけ球は少ないが、じゃあシュート回転したボールをガツンと運ばれると、佐藤はマウンドで悩みだし、これじゃまずいと思い、また引っかけ出してしまう。そういう所は結果オーライでいいと思うんです。マウンドでは割り切っていく事も必要ですから」と話す。

しかし、逆球や意図通りでないにせよ佐藤は好投を続けている。そこには大ベテランの一言が影響していた。

佐藤は「ボールの強さで打ち取れている部分もあるんですが、岩瀬さんの一言に助かっているんです。岩瀬さんには、打者への初球にその日の自分ができる一番いいボールを投げろと言われました。例えそれが真ん中に行ってしまってもいい」。

「痛打されることもあるが、腕をしっかり振っていいボールを投げれば2球目、3球目につながるから。と言われました。この考え方が凄く僕に合っていますね。迷いが減って、1人相撲しなくなったと思います」と教えてくれた。

朝倉コーチは「タイプとして佐藤は先発でしょうね。いきなりチャンスは巡ってこない。自分で勝ちとらないと。確かに野球は結果オーライの積み重ねって部分もあるんです。上手く考えを整理して成長してほしいと思います」と話す。

佐藤は「今は先発がどうとか考えていないですね。与えられた所でしっかり結果を出していく事だけです」と前を見る。

宮城県生れの朴訥とした青年は自分に嘘をつけない分、結果オーライを受け入れられない所もあるが、周りの助言に素直に耳を傾ける。勝負では優しさが邪魔をする事もあるがチーム内では愛される。これも佐藤の強みと言っていいだろう。

佐藤優の成長は必ず8月のドラゴンズを救うはずだ。

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森 貴俊

1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!

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