【都市対抗】地元に勝利を届けたい西日本の5チーム

社会人野球の夏の祭典、第89回都市対抗野球大会が7月13日（金）に開幕する。出場は32チームで、決勝戦は24日（日）に行われる。今回は出場チームを地区ごとに紹介していく。

◆中国代表：伯和ビクトリーズ、JR西日本

中国地区第1代表の座を勝ち取ったのは伯和ビクトリーズ（東広島市）だ。8人の新入部員を迎えた若返りが奏功し、5年ぶりに出場権を獲得している。

京都学園大学から入社した新人左腕・平岡航は早くもエースとして2次予選の全5試合に登板。173センチと小柄だが、最速146キロの速球を持つ。

極端なほど若いチーム編成だが、本大会に向けては三菱重工広島の國本剛志捕手、JFE西日本の橋本拓也内野手という経験豊富な30代も補強している。

中国第2代表はJR西日本（広島市）。前回大会はベスト8入りを果たしている。投手陣の柱は右腕・加賀美希昇、左腕・西川昇吾の2枚だ。

加賀美は法政大、DeNAで活躍した大型右腕で、長身ながらしなやかなフォームや、速球とカーブの組み立てが有効。西川は変則左腕で、2次予選は防御率0.35と好投している。

打線の軸は侍ジャパン社会人代表の田村強。大阪体育大学から入社して3年目を迎える右打者で、2次予選も打率.417と気を吐いた。

昨年11月末から開催されたアジアウインターベースボールリーグはJABA選抜のメンバーとして出場し、各国の若手プロ選手と対戦した。8月末に開幕するアジア競技大会の代表メンバーにも入っている。

両チームが本拠を置く広島県は西日本豪雨による被害が甚大だった地域。地元を勇気づける活躍に期待したい。

◆四国代表：JR四国

四国はJR四国（高松市）が四国銀行との決勝戦を制し、昨年に続いて四国地区代表の1枠を確保した。今大会も登録全選手が四国の高校出身という“オール四国体制”は変わらない。

エースの田内亘は171センチと小柄だが、高知県立岡豊高校時代から評価が高かった。昨年の都市対抗も東芝を相手に好投を見せている。今年は右肩痛の影響もあるとも聞くが、2次予選は大半を彼が投げ切っている。

◆九州代表：Honda熊本、西部ガス

九州地区は今大会から枠が1つ減り、2枠になった。第1代表の座を勝ち取ったのはHonda熊本（大津町）だ。第1代表決定戦は、9回二死から同点に追いつく劇的な展開で沖縄電力を下している。

3試合の大半を一人で投げたのが速球派右サイドハンドの荒西祐太。昨年の1回戦でも日本製紙石巻から完封勝利を挙げている実力者だ。2次予選で打率5割と活躍した4番打者が浜岡直人。33才のベテラン捕手で、実力は健在だ。

九州第2代表は西部ガス（福岡市）。第1代表決定トーナメントの初戦に敗れ、「負けたら終わり」という状況から5連勝して代表権を得た。

12年からコーチを務め、昨秋に監督へ昇格したのは香田誉士史氏。出身地は佐賀だが、駒大苫小牧高校の監督として夏の選手権を2度制し、田中将大（ニューヨークヤンキース）も育てた名将だ。

山田義貴は亜細亜大学から入社して2年目の右腕で、140キロ台の速球とカットなどの「動くボール」を駆使する実戦派。2次予選は同じく2年目のパワフルな右腕・立石悠汰もリリーフで好投している。