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社会人野球の夏の祭典、第89回都市対抗野球大会が7月13日(金)に開幕する。開幕が迫るこのタイミングで、皆さんに要注目の出場選手を紹介していきたい。今回は「捕手・野手編」をお届けする。
社会人選手は大学出身なら2年目、高卒は3年目からドラフトで指名を受けられる。
2017年秋のドラフトでは、NTT東日本の都市対抗制覇に貢献した福田周平(オリックス3位)、日立製作所の菅野剛士(ロッテ4位)、田中俊太(巨人5位)ら、社会人の名手が次々に指名された。
3人は既に活躍を見せていて、他にも藤岡裕大(トヨタ自動車→ロッテ)、大城卓三(NTT西日本→巨人)らが1年目から一軍の戦力になっている。
「プロが一気に才能を持って行った」という印象もあるが、それでも社会人球界はまだ人材の宝庫だ。
ドラフト候補という意味で楽しみな人材を何人か擁しているのがホンダ鈴鹿(鈴鹿市/東海第6代表)だ。柘植世那は健大高崎高校から入社して3年目で、甲子園でも大活躍した。
素早く正確な送球、安定感を持ち味とする実戦的な捕手だ。高卒時はプロの指名を受けられなかったが入社2年目で社会人のポジションを掴み、勝負の3年目を迎えている。
都市対抗の東海地区予選では8試合で4打点と勝負強さを見せたものの、打率.182と苦しんだ。またチームも第1代表決定戦から4連敗を喫するなど、彼は「扇の要」として大きな試練を味わっている。しかしそんな試練から何を学び、どう脱皮したかが楽しみである。
第6代表決定戦の初回に3ラン本塁打を放ち、勝利の立役者となったのが松本桃太郎だ。175センチ・85キロと中型の左打者だが、確実性とパワーを併せ持つ打撃は社会人でもトップクラス。東海2次予選では打率.333を記録し、湿った打線の中で奮闘を見せている。
松本は仙台大時代に連盟史上最多の通算120安打を記録し、8季で2度のMVP、4度の本塁打王に輝いた。左右の違いこそあるが、セガサミー時代の宮崎敏郎(現横浜DeNA)を思い出すバットマンだ。
東京ガスの笹川晃平は俊足強肩で、しかもパワーのある外野手。182センチ・86キロと体格も恵まれている。
既に社会人入りを決めていた東洋大学4年の秋には首位打者、本塁打の二冠を獲得。鳴り物入りで社会人入りすると、その後も侍ジャパン社会人代表の4番を務めるなど順調な成長を見せている。
社会人らしい「名手」という意味でおすすめしたいのが東芝の堀米潤平。163センチ・63キロの小兵だが、ショートの守備は社会人最高レベルだ。昨秋のドラフトではあと一歩でプロに届かなかった、
しかし、源田壮亮など「社会人出身ショート」の活躍が目立つ昨今だけに、入社3年目の彼にも十分まだチャンスはある。
大島 和人
1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty)
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