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野球 コラム 2018年6月19日

【中日好き】藤嶋健人、全力少年

野球好きコラム by 森 貴俊
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6月17日、交流戦最終試合。メットライフドームでは試合開始直前、場内アナウンスが流れた。「先発、松坂大輔に代わり藤嶋」球場はどよめき、ため息が漏れる。

平成の怪物の古巣との一戦を楽しみにしていた両チームのファンは落胆を隠せない。緊急登板、ドラゴンズ2年目藤嶋健人は6回2失点で見事プロ初先発初勝利を手にした。

試合開始15分前、朝倉投手コーチから聞かされた。藤嶋は「え?!って最初は驚きましたね。でも、すぐに腹をくくりました。緊張する暇もなかったですよ」と笑って話す。

入団当初から話していた憧れの先発マウンド。思わぬ形で訪れた舞台をこう振り返った。

「驚きはありましたが、これは自分に来たチャンスなんだって切り替えました。やることはいつもと一緒。1人1人全力で抑えようって事だけでした」 。

全力、投げっぷり、マウンド度胸、こういった表現が藤嶋健人にはよく似合う。相手はこの日の時点で首位を走る強力西武打線。マウンドに上がった後の気持ちを聞いた。

「凄いメンバーの打線だなと思いました。おそらく、誰がこの場にいても同じ事を思うはず。誰が投げたって怖いと感じるんだ。そう自分に言い聞かせました」。

「野手の皆さんが早くから点を取ってくれたんで、それも気持ちの上では大きかったです。ホームランを打たれた時も、ランナーいなくなったからいいやって、前向きに考えられました」と話す。

5回を終えた所で森監督が藤嶋に歩み寄る。「もうお前の役割は十分果たしているから大丈夫だ。この先はアウト1つでも多くとってくれればいいから」。

藤嶋は「監督に言われてほっとした部分もありましたし、勝ち投手の権利も一瞬頭をよぎりましたが、それ以上に少しでも長く投げたかったんです」と話す。

オフには藤嶋と同じジムで汗を流すベテランの山井大介は数日前に藤嶋をこう話していた。

「怖い物知らずといえばそう。でもそれでいいんです。怖い物知る前から怖がっていてもしょうがないでしょ。1軍の舞台で、今、藤嶋がやっている場所が一番のびのび自分の投球ができると思う」。

「先発が序盤で降りた時とかね。逆にそこで自分のボールが投げられないんじゃあダメだと思う。この先、怖くなる時は必ず来ますよ。でも、それまでは今のまま怖い物知らずで突っ走ればいい。それが出来ない選手もたくさんいますから」と話す。

試合後、藤嶋は松坂大輔から「ありがとう」と言われた。平成の怪物からのお礼に思わず笑みがこぼれた。

今後に向けて藤嶋は「もちろん、また先発したい気持ちはありますけど、まだまだ課題も多いですし、今は言われた場所で、1つのアウト、1イニングをしっかり投げていきます。これまでと変わらず全力で目の前のバッターに投げていきます」。

交流戦、負け越しはしたが、藤嶋のこの日の投球はリーグ戦再開後の大きなプラス材料だ。

高卒入団2年目、藤嶋健人は今“全力”で1軍を楽しんでいる。

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森 貴俊

1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!

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