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野球 コラム 2018年6月8日

轟け若き血。陸の王者・慶應義塾大学の進撃が始まる。全日本大学野球選手権

野球好きコラム by 慶應スポーツ新聞会
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「超越」への挑戦が始まる。6月11日(月)より神宮球場、東京ドームにて開催される第67回全日本大学野球選手権。4年ぶりの出場となる慶應義塾大学は、春としては1987年以来、4度目の栄冠を目指す。

悔しさから成長してきたチームだ。昨春はあと1勝で、全日本への切符を掴みとれなかった。「春を超える」と意気込んで秋はリーグ優勝を達成。その一方、明治神宮大会では慶大らしさを発揮できずに初戦敗退に終わってしまった。

新チームとなり、「日本一」を目標に据えたが、野手は郡司裕也(環3・仙台育英)、柳町達(商3・慶應)以外のレギュラーが卒業。投手でも昨秋最優秀防御率の佐藤宏樹(環2・大館鳳鳴)が出遅れる厳しい船出だった。

その中でチームを引っ張ったのが、昨秋結果を残せず、佐藤らに出番を譲った上級生投手たちだった。

リーク?防御率2位の高橋亮吾

投手のキーマンとして期待された高橋亮吾(総3・慶應湘南藤沢)が開幕の東京大学1回戦で8回無失点と、投手陣が東大戦2試合で1失点。危なげなく連勝スタートを切った。

続く法政大学戦。1回戦を逆転で先勝すると、2回戦では18番を背負いながら秋は未勝利の菊地恭志郎(政4・慶應志木)が好投。7回まで2失点と試合を作り、火消し屋・高橋佑樹(環3・川越東)、抑え・石井雄也(商3・慶應志木)の継投で逃げ切って連勝した。

今季の強さは投手陣だけではない。野手も河合大樹主将(総4・関西学院)や郡司を中心に粘り強い打撃でチャンスを作り、得点してきた。

4連勝で迎えた相手は同じく4連勝(1分含む)の立教大学。1回戦は相手エース田中誠の前に必死に粘るも、点が取れずに敗戦する。しかし、2回戦は河合の4安打の活躍で序盤にリードすると、菊地が6回1失点でリードを守り、対戦成績をタイに戻す。

そして3回戦、1回戦で粘って球数を稼いだことが功を奏したか、疲れの見えた田中誠を攻め立てる。華麗な守備が持ち味のショート瀬戸西純(政2・慶應)がここで逆転適時打。伏兵がバットで田中誠をKOして勝ち点を奪った。

4番捕手の郡司裕也

そして何より諦めない戦い方が希望をつないできた。勝ち点3同士で迎えた天王山の明治大学戦。

1回戦、2点を追いかける9回に粘り、勝ち取った四球でチャンスを広げると、相手のミスなどで追いつく。そして10回に郡司が左中間に二塁打を放ってサヨナラ勝利を収めた。

2回戦は明大の意地に屈し、続く3回戦は死闘となった。3点を先行されたが、追いつき、また勝ちこされ、追いつく。負けられない執念がぶつかる決戦の終わりは9回だった。

2死二、三塁から渡部遼人(環1・桐光学園)がセンターへサヨナラ適時打。劇的な2勝で優勝を大きく手繰り寄せた。そして、翌週に2位の明大が法大戦で敗戦し、勝率の関係から慶大の優勝が決定したのだった。

だが、永遠のライバル早稲田大学には先勝しながら連敗。勝ち点を落とし、悔しさを抱えながら盛大な優勝パレードを行った。この経験をもバネに全日本では更に強くなった姿を見せてくれるだろう。

全日本は5日で4試合という過密日程だが、六大学チームトップの防御率と層の厚さを誇る投手陣は大きな武器。

打線も豪快さこそやや欠けるが、どこからでも粘り強くチャンスを作ることができる。そして何より、昨秋を超えようという気持ちがチームを動かしている。

大久保秀昭監督は「神宮で成長してきたチーム」と評したが、全日本の試合は決勝まで4試合すべてを神宮球場で戦うことになる。

全国を勝ち抜く中、“ホームグラウンド”で彼らはさらなる進化を遂げていくだろう。刮目せよ、“六の王者”が全ての頂点に立つその時を。

慶應義塾大学は2回戦からの登場。日本文理大学vs.苫小牧駒澤大学の勝者と対戦。6月13日(水)午後2:00から、J SPORTS 1で生中継される。

取材:慶應スポーツ野球班/文・写真:尾崎崚登(慶應スポーツ)

慶應スポーツ新聞会

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慶應義塾大学文化団体連盟所属の公認サークル。通称ケイスポ。全40ある体育会の取材から記事の執筆、年7回の新聞製作まで全て学生の手で行う塾内唯一のスポーツ新聞サークル。部員数約50名、35年の歴史を持つ。»慶應スポーツWebサイト

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