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野球 コラム 2018年5月31日

【オリックス好き】福田周平、小柄な身体に秘めるハイブリッド型ムードメーカーの性分

野球好きコラム by 藤原 彬
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「(試合に)出れるなら、どのポジションでも」。ピッチャーでも?と問えば「やります!」と返答されかねないと感じさせられたほど、ルーキーの福田周平は意気軒高だった。

前向きな姿勢に加えて目に付くのは、広陵高校、明治大学、NTT東日本とアマチュアの強豪でもまれてきた経歴だ。高校時代と侍ジャパン大学代表では主将も務めている。

春季キャンプから報道陣の質問に、はきはきと受け答えし、ファンサービスに応じる様子も手慣れたように見えた。そうした地に足がついた振る舞いには、名門チームで鳴らしてきた経験値が透けて見える。

昨年のドラフトで3位指名を受けて、25歳でのプロ入り。だが、もうすでにプロで5、6年はプレーしているかのような雰囲気さえ漂う。

大学では二塁手、遊撃手でいずれもベストナイン獲得の経験があり、背番号「6」を着けた社会人では主に遊撃手をこなした。

バファローズにとって、二塁手は課題を抱えているポジションだ。昨季からレギュラーを固定し切れず、対となる遊撃手も安達了一が、ここ2年は潰瘍性大腸炎を患った影響でフルに出場できずにいる。

そうした事情もあって、チームは昨年の都市対抗野球で橋戸賞を獲得した福田に白羽の矢を立てた。背中に「4」を背負う現在は、番号の変遷と合わせるかのように二塁手での起用が中心だ。

レギュラーの座を掴んでいるわけではないが、それでも代走に代打、守備固めをこなしつつ、スタメン起用の機会も時折得ている。

元気印でリーダーシップも合わせ持ち、おまけに地元の大阪っ子。与えられたタスクをこなしながら定位置を獲得し、持てるパーソナリティーをフルに発揮できれば、ムードメーカーとしてチームを引っ張る姿も浮かび上がってくる。

試合前の練習では冒頭の言葉を有言実行、せわしない。複数のポジションでノックを受け、チームメイトがバッターボックスに入れば、塁上に立って走塁動作を確認。自身の打撃練習の合間にはコーチの横に立ち、話に聞き入る。

負ければ終わりの「明日なき」戦いが多いアマチュアに対して、いくら悔しい思いをしても「明日がある」のがプロの世界だ。ステージを移したプロ1年生にとっては、きっと息つく間のない毎日だろう。

とはいえ、現在の多忙は、待たされた日々を思えば望むところなのかもしれない。

一昨年のドラフトではプロ志望届を提出しながら指名の声がかからず、社会人野球でプラス1年を積み重ねた。春季キャンプは一軍で過ごしながら、開幕を二軍で迎えている(4月8日の昇格後は現在まで一軍帯同)。

一度は諦めかけた舞台の歯ごたえは、どのようなものなのだろうか。「(プロは)レベル高いですよ。球速いし、今までは外国人もほとんどいなかったので。こういう球場(東京ドーム)でやらせてもらってることもそうですし」 。

汗まみれになりながら答えてくれた表情には、充実感よりも必死さがにじんでいた。そういえば、バッターボックスに入る際はコールドプレイの『Viva la Vida』を選曲している。邦題は「美しき生命」。

169cmの身体に秘めたエネルギーを燃やしながら躍動する姿に、ぴったりとはまる。

代替画像

藤原 彬

アルバイト時代を含めて10年余り野球専門誌の制作に携わり、2016年にFAとなったさすらいのスポーツウォッチャー。「二兎を追う」を信条に、編集、執筆、写真、発信、校閲をこなす5ツール・プレーヤーを目指して勉強中。食にうるさい関西人だが、行く先々で「あんまり面白くないね」と言われる。同い年のレブロン・ジェームズは誇り。

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