大谷翔平、イチローとの対戦は実現せず。プホルス、3000本安打に王手。マリナーズvs.エンジェルス3連戦のみどころ

アメリカは“歴史”をつくった人物をとても大切に扱う。数々の記録を打ち立てた偉大なイチローが日本時間4日（現地3日）、マリナーズの会長付特別アドバイザーに就任したことが発表された。

イチローは、もう今季残りの試合には出ないという。日米で衝撃のニュースとして受け止められたが、いきさつを語った記者会見で、イチローはかみ締めるように「ハッピー」と繰り返していた。

契約の内容はこれ以上ないほど、イチローをリスペクトしたイチローのための生涯契約。「最低50歳までは現役」と公言してきたイチローは、今後もユニフォームを着てチームメイトと練習に励みながら、フロントの役割を担うという。

前例のないポジションだが、球団とチームメイトに求められて同職を引き受けたイチローは、引退ではなく、続けることの表明として会見に臨んだとも語った。

けれども、この決断によってファンが期待したイチローと大谷翔平の直接対決は流れてしまった。

エンジェルスは5日からマリナーズの本拠地で3試合を戦い、大谷は投手として先発することが予想されているのだ。

イチローが試合に出場しないのは何よりも寂しいが、この3連戦でイチローと縁の深い大選手がイチローの前で“歴史”を刻むかもしれない。

◆イチローと球史を刻んだプホルス、3000安打まであと1本！

エンジェルスのアルバート・プホルスは、イチローと同じ2001年4月2日にメジャーデビューし、共に同年の新人王に輝き、殿堂入りが確実視されている大選手。

3000本安打の達成が目前で、連日メディアの注目の的となっている。この前のオリオールズ戦では、カウントダウンをついに残り「1」とした。

プホルスはホームで3000安打達成とはならなかったものの、イチローの目の前で達成する可能性が濃厚になった。

メジャーではこうした偉大なマイルストーン達成の瞬間は、ホームでもビジターでも球場が一体になって盛大に称賛を贈るので、その瞬間を是非とも目撃したい。

なお、3000本安打を達成した選手は、これまで31人。プホルスは、メジャー歴代7位となる620本塁打もマークしているが、メジャーの歴史上、3000安打と600本塁打を達成した選手は、ハンク・アーロン、ウィリー・メイズ、アレックス・ロドリゲス（ロドリゲスの場合は薬物問題から疑問符付きではあるが）の3選手しかいないことも、付け加えておきたい。

◆大谷は第3戦“キング”とマッチアップか

MLB公式サイトによると、マリナーズの先発は第1戦から順に、長髪のマイク・リーク、敵地で2連勝のマルコ・ゴンザレス、そしてマリナーズ一筋の「キング」ことフェリックス・ヘルナンデスが先発を務める予定。

対するエンジェルスは、初戦ギャレット・リチャーズ、次戦タイラー・スキャッグス、第3戦が未定となっている。ここに大谷が入ることが見込まれている。

2010年にサイ・ヤング賞も獲得した「キング」フェリックスは、マリナーズの看板スター投手。長年エースとしてフル回転してきた13年目の32歳だが、ここ数年はかつての威力あるボールは影を潜め、カーブを多用した老獪なピッチングを見せている。

同じア・リーグ西地区のライバルでもあるマリナーズは現在、0.5ゲーム差でエンジェルスを追う。同地区は、エンジェルス、アストロズ、マリナーズの三つ巴状態となっているだけに、1つでも多く勝っておきたい。

大谷が注意したい打者は、リードオフマンのディー・ゴードン。目下リーグ3位の打率.355、メジャートップの14盗塁で、5戦連続マルチヒットと絶好調だ。

イチローを敬愛するスピードスターで、イチローの“移動”を知った日のゲームでは、イチローの打席でのルーティンを真似して披露したほどだ。

二刀流として最高のスタートを切った大谷は、4月の月間MVPに輝いた。大谷のメジャーでのキャリアは始まったばかりだが、これも一つ一つの“歴史”として積み重なっていくのだろう。

◆マリナーズ vs. エンジェルス放送予定
5月5日（土）午前11:00　J SPORTS 1
5月6日（日）午前10:00　J SPORTS 3　※無料放送
5月7日（月）午前05:00　J SPORTS 3