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チームとしては22打席目。開幕から代打のノーヒットが続いていたドラゴンズだが、4月11日ヤクルト戦。阿部の打球が左中間を破っていった。
ベンチに帰った阿部は笑顔とハイタッチで出迎えられた。右手を大きく突き上げた先はスタンドではない。通路奥の控え選手に向けてだった。ここからだぞ!控える選手に向けて何よりも力になるエールだった。
「狙ったわけではないんですが、戻ったら代打陣が奥に見えたんで、思わず身体がそうしたって感じです。ゲームに頭から出ない選手の気持ちってあると思うんで。少しでも力になればいいですよね」。
開幕1軍はならなかった。キャンプでは誰よりもバットを振り、1軍キャンプに食らいついた。1学年上の堂上、亀澤から毎日何かを得ようと内野競争に加わった。
フリー打撃を見れば、惚れ惚れする打球をスタンドに運ぶ。185cmの長身から放たれる打球は鋭く飛距離が出る。しかし打撃について聞くと意外な言葉が返ってきた。
「プロに入るまでは、バッティングが好きじゃなかったんです。正直そこまで打撃について深く考えたことがなかった。興味がなかったというか、何となく感覚でやってました」。
「社会人までは自分の打撃を映像で見るなんてした事がないですね。だから自分の打撃フォームがどうって、自分でもよく分からなかった。プロに入ってからですね。打撃を理論的に考えるようになったのは」。
開幕前に調子を落とし2軍スタート。阿部はこう振り返った。「僕は悪くなるとバットでなく身体を振ってしまう。バットが出てこなくなるんです。そこの修正をして1軍に来ました」。
「今、取り組んでいる打撃のポイントは“手を動かせ”です。タイミングをとる段階で細かく手を動かし、投手が動き出したときにまず身体の前で1回入れる。そこから打ちに行くタイミングでもう1回入れる。タイミングを2段階で入れるんです。これが今年やっているポイントですね」と解説してくれた。
松井佑介が調子を落とし、阿部は代打の切り札としての起用が目立ってきた。それについて阿部は「チャンスは好きじゃないですね」と笑って話す。
「昔からチャンスは苦手で。性格ですかね。できればプレッシャーの無い場面の方がいいですよ。でも、チャンスで行くようにならないと、そこで結果が出ないと上がっていけない。好き嫌いで野球やっててもダメですから」。
「スタメンでいけない選手にも、まあ悔しさというか意地みたいなものはありますから。気持ちの作り方含め、チャンスで強くなりたいですね」。
いつも温和な空気で話す阿部寿樹、優しさの中に強い決意を感じる。天性の長距離バットマンの成長はドラゴンズ浮上に欠かせないピースだ。
◆中日vs.横浜DeNA 放送予定
・4月28日(土)午後1:55 J SPORTS 2/オンデマンド
・4月29日(日)午後1:55 J SPORTS 2/オンデマンド
・4月30日(月)午後1:55 J SPORTS 2/オンデマンド
森 貴俊
1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!
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