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野球 コラム 2018年4月23日

【楽天好き】岡島豪郎、常に前を向く「男前」

野球好きコラム by 松山 ようこ
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「男前」という言葉が似合う選手だ。チームの中心選手で人気選手の岡島豪郎。多くの人の支持を集めるのは、人気と実力が備わっているからなのだが、実にイケメンという言葉では軽く聞こえるほど、外見と内面が”整って“いる。

今季から岡島はチームの選手会長にも就任。さらにはチーム戦略から、いざという時の”第3の捕手”も担う。

昨年も一昨年も、岡島は開幕からバットでチームを牽引した立役者だった。今季は”スロースターター”気味だったが、それも心配無用だった。

打率1割台からのスタートだったが、今は3割を超え打率.305(4月23日現在)。ベンチで誰よりも大声を張り上げて、雰囲気を盛り上げる背番号4は、好不調を超えてチームに不可欠な存在感を放ち続けている。

◆「キャッチャーとして出る準備は、毎日しています」

岡島は、とにかく余計なことは言わない。言い訳も一切しない。取材をすれば、常に凛々しくも誠実に応対するが、どこまでも簡潔だ。まるでメディアにはスキを見せまいとしているようにすら見えるほど。

開幕直後にスタートダッシュしなかったのは、もしかして選手会長と第三の捕手としての役割が、見えない負担になっているのではないか。

そう思って尋ねた時も、「まったく関係ありません。選手会長?みんながしっかりしているので、やることなんてないも同然です」。

”ないも同然”ではない。実際には他球団も含めた選手会の会議に出席したり、時には選手の声を集めて、フロントに意見をしたり。

一般企業における労働組合長のようなもので、それはチーム内での実績と信頼に加えて、「言うべきことを言う」ことができる人材でないと務まらない。だが、そんなことは承知しているとばかりに岡島は言ってのける。

「僕がやることは、選手がやりやすいようにするだけのこと。何かあったらフロントの人と話をしたりとか、そういうことです」。

いざという時、チームのために動くのは、グラウンド内でも「第三の捕手」という形で求められている。もともと捕手でプロ入りしたが、2014年から外野手に登録して活躍してきた。

それだけに春季キャンプでは、久しぶりにブルペンでキャッチャーマスクを被った姿も注目されたが、それも何でもないように岡島は言う。

「もちろん、ブルペンでは真剣です。でも、別にキャッチャーとして練習をしているわけでもないし、大変なことは全然ないです。身体にも全然、負担はかからないですし」。

「ただ、準備は常にしてますよ。いつ言われてもいいように、キャッチャーとして出る準備は毎日してますけど」。不言実行。昔気質の男気が、言葉にしなくても伝わってくるようなのだ。

◆誰よりも大声を張り上げる理由

だからといって、近寄りがたかったり、頑なだったりするところは見えない。それは誰よりも、練習でも試合でも大声を張り上げて、チームを盛り立てている様子からも明らかだ。

そうした姿勢を梨田昌孝監督も、「ああいう選手は本当に必要」と目を細めるほど。そこには役割としての使命感やこだわりがあるようにも思えるが、それすらも岡島はかぶりを振る。

「ていうか、そうしなきゃつまんないじゃないですか。野球は声を出して、楽しくやるものだから。そのためには、まず自分が楽しくやらないと」。

スロースタートの序盤、後ろの打順に座ったことに水を向けても、「ぜんっぜん気にしてないです。とにかく自分のできることをしっかりやるというだけです」と岡島。

結果次第で、中からも外からも褒められたり叩かれたりする厳しいプロ野球界。苦労や辛い思いもしてきたが、そうした感情も少なくとも決してメディアには見せない。

「そりゃあ、僕だって暗くなることはありますよ。でも、落ち込むことは大事で、(そうなったなら)しっかり反省して、次の日は違った形でグラウンドに出てこられるようにするだけ。だから、落ち込むというか、反省はしないといけない思いはありますね」。

次の日には新たな自分で。切り替えが鮮やかなことは、プロ選手の必須能力とも聞くがまさにその通りなのだ。

「ゲームになったら、積極的に前を向いてやりたいですね」。

ふと、キャップのつばの裏に描きこんだ絵のようなものが目に飛び込んできた。一つは、星マークが4つ。

「ああ、これは背番号4だからです」。もう一つは、半分ぐちゃっと塗りつぶしたような丸。「ここ?何も描いてないです。描こうとしたけど(ペンでそのまま)消したんです」。

スカッとした男前は最後にもう一度、繰り返した。

「とにかく前を向いてやりたいです!」

松山ようこ

松山 ようこ

フリーランス翻訳者・ライター。スポーツやエンターテイメント関連コンテンツの字幕翻訳をはじめ、Webコンテンツ、関連ニュース、企業資料などの翻訳や制作を請け負う。J SPORTSでは、主にMLBや侍ジャパンのほか、2015シーズンより楽天イーグルスを取材し、コラムやインタビュー記事を担当。野球の他にも、幅広くスポーツ選手はじめ著名人を取材。Twitter @yokobooboo

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