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野球 コラム 2018年3月30日

【中日好き】小笠原慎之介、若き船出

野球好きコラム by 森 貴俊
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3月24日、オープン戦前のグランドで、小笠原慎之介は森監督から開幕投手を告げられた。

「今日言われました。自分から報道陣のみなさんに言って、気持ちを高めていこうと思いました」と明かした。驚きはなかった。小笠原の中で心の準備はできていた。

「驚きより喜びの方が大きいですよ。自分なんかがって思いもありますが、経験になるし、財産ですから。キャンプ中からチャンスがあるなら自分がやるんだ、と言い聞かせてここまで来ました」と語る。

開幕投手の印象を聞くと小笠原は迷いなく答えた。「チームの顔だと思っています。そのシーズン、投手陣の中心でやっていかなくてはいけない存在。子供の頃の開幕投手はベイスターズの三浦大輔さん。プロに入ってからは大野雄大さんですね。カッコいい大事な存在です」。

キャンプから取り組んできた課題の一つにストレートの質がある。目指したのは脱力状態からリリースする瞬間に力を入れて、スピンの効いた140キロ後半のストレート。去年以上に打者の空振りやファールを誘う直球だ。

それは同時に課題でもあった後半のスタミナ切れや球数を減らすことにもつながると考えてきた。

小笠原は「現時点でまずまずの手ごたえを感じています。でも、理想の直球はそう簡単にたどり着けないですよ。ストレートに関してはまだ発展途上です」と話した。

オープン戦は通算で先発4試合、20イニング3失点、防御率1.35。

3月9日、甲子園での阪神戦は圧巻の投球を披露した。7回88球2安打無失点。

しかし、本人はこの投球ではない試合に手応えを感じていた。自身のオープン戦最終登板となった3月23日、ナゴヤドームのロッテ戦。調子は良くなかった。球がバラつき初回から制球は安定しない。

3イニングで毎回の四球を出した。初回と2回は先頭打者四球。結果3回1安打3四球1失点。小笠原は「去年までならズルズルっと行ってしまったと思うんです。でも、悪いなりにまとめられた。それが大きいです」

「去年までの僕なら、なんでだ、なんでだ、ってマウンドで自分と格闘してしまった。今年はしょうがない。そういう日もある。今できる投球は何かを考えて投げられる」。

「あの日はカーブがストライクに入らなかった。去年までなら、カーブは使わないって選択をしていましたが、今はストライク入らなくても見せ球として使い方はあると考えて使います」。

「あの日(23日)もキャッチャーの方に、ストライク入らないけど、サイン出してくださいと言いましたね」。小笠原慎之介は、悪いなりの投球、その日できる投球で試合を作る事に成長を感じていた。

3月30日、プロ野球開幕。「ここまで納得いく形で来られたんで、髪は切らないでおこうと思ってますよ。あとはやるだけです。開幕投手はゴールじゃないんで。勝負はここからですよ!」。

ふと、2年前のルーキー時代の写真を見てみた。あどけなさの残る少年だった。精悍な顔つきに変わった。ロッカーに引き上げる背中に決意と成長を感じた。開幕戦は小笠原慎之介にとって、と同時にドラゴンズにとってのネクストステージだ。

2リーグ制以降、球団最年少開幕投手がいよいよ3月30日、マツダスタジアムで躍動する。

◆セ・リーグ開幕戦 放送予定
・3月30日(金)午後5:49 広島 vs. 中日 J SPORTS 1
・3月31日(土)午後1:55 広島 vs. 中日 J SPORTS 1
・4月01日(日)午後1:25 広島 vs. 中日 J SPORTS 1

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森 貴俊

1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!

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