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バドミントン コラム 2024年11月2日

志田/松山ら五輪選手が躍動、男子は開幕から大波乱 | S/Jリーグ 2024 開幕戦レビュー

バド×レポ by J SPORTS 編集部
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志田千陽/松山奈未(再春館製薬所)

バドミントンの国内最高峰リーグ「S/Jリーグ」が11月2日に開幕した。女子では、夏のパリ五輪で銅メダルを獲得した志田千陽/松山奈未(再春館製薬所)が強さを発揮。男子でもパリ五輪に出場した保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)が初日から出場し、会場を盛り上げた。S/Jリーグは、男女とも6チームずつSとJの2ブロックに分かれて総当たり1回戦を行い、ブロック上位2チームが優勝を競うTOP4トーナメントに進出する。また、ブロック最下位は順位決定戦を行い、敗れたチームは降格する。

山口大会は地元に縁ある選手が活躍

開幕週は、2日間で埼玉大会と山口大会を開催。埼玉では男女のSブロック、山口ではJブロックの試合が行われた。山口大会では、パリ五輪出場選手が躍動した。女子Jブロックからタイトル奪還を狙う昨季準優勝の再春館製薬所は、PLENTY GLOBAL LINXに3-0で勝利。第1ダブルスに志田/松山を起用し、エースペアの活躍で勢いに乗った。同じブロックから初のTOP4進出を狙うACT SAIKYOは、2-1で七十七銀行を撃破。地元で白星発進を飾った。第1ダブルスは、昨季全勝の活躍を見せた佐藤灯/田口真彩が2-0で勝利。シングルスは、来季加入内定の宮崎友花(柳井商工高3年)がリーグデビュー。第2ゲームは大接戦を28-26で物にしてストレート勝ち。世界ランク13位の実力を見せつけた。田口、宮崎は山口県の柳井商工高校を日本一に導いている選手。地元の声援が多い中で期待に応えた。山口大会の男子Jブロックでは、昨季初めてS/Jリーグタイトルを逃したトナミ運輸が、王座奪還に向けて好スタート。保木/小林が第1ダブルスを2-0で勝利すると、後続も1ゲームも落とさずにトリッキーパンダースを3-0で破った。保木は、山口県出身。地元に縁のある選手が多く活躍する1日となった。

男子、連覇狙うジェイテクトが大逆転負けの波乱

埼玉大会では、男子Sブロックで波乱。昨季初優勝を飾ったジェイテクトが、東海興業に1-2で競り負けた。第1ダブルスに昨季の最高殊勲選手賞を受賞した相澤桃李と佐野大輔のペアを起用したが、長峰善/寺島颯大に1-2で逆転負けを喫した。第1ゲームを先取し、第2ゲーム20-18でマッチポイントを握ったが、22-24。ファイナルゲームは、18-13のリードで進み、20-17でマッチポイントを迎えたが、またも追いつかれた。このゲームだけで「あと1点」の場面が5回あったが、仕留めきれず。最後は24-26で敗れた。シングルスを勝って追いついたが、第2ダブルスは東海興業の大滝聖矢/江藤佑太がファイナルゲームを22-20で勝利。15-18から追い上げてジェイテクトの野田悠斗/小川航汰にプレッシャーを与えて大逆転に持ち込むと、勝利の雄たけびを挙げた。

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【さいたま大会 男子ハイライト】ジェイテクト vs. 東海興業|バドミントン S/Jリーグ 2024

また、埼玉大会の男子では、日本リーグ時代の2014年以来10シーズンぶりの優勝を狙うNTT東日本が、1部初昇格の大同特殊鋼に3-0で勝利。シングルスでは、2018年、2019年の世界王者、桃田賢斗が出場。日本代表を引退した5月の男子国別対抗戦トマス杯以来となる公式戦で勝利を挙げた。男子Sブロックは、ジェイテクトとNTT東日本が2強。割り込みを狙う3番手争いが想定される直接対決は、日立情報通信エンジニアリングが3-0で金沢学院クラブを破った。

大会第2日の最注目は、女子Jブロックの「ACT SAIKYO vs 再春館製薬所」

S/Jリーグの試合は、第1ダブルス、シングルス、第2ダブルスの2複1単。ブロック戦は、勝点(勝利1、敗北0)の合計で順位を決定。勝点で並んだ場合の順位決定方法が今季から改定され、マッチ数の得失差、ゲーム数の得失差、ポイントの得失点差、取得ゲーム率(徳ゲーム数を全ゲーム数で割った値)、当該チーム対戦成績の順で順位を決定する。TOP4は、どちらかが2勝した時点で対戦を終える(2-0の場合、第2ダブルスを行わない)。

大会は、11月3日に第2日を行う。最注目は、山口大会で行われる女子Jブロックの再春館製薬所とACT SAIKYOの一戦だ。同ブロックの2強で、勝者はTOP4進出に大きく前進できる直接対決となる。シングルスでは、山口茜(再春館製薬所)と宮崎の日本A代表対決が実現する可能性がある。また、ダブルスでもパリ五輪銅メダルの志田/松山が正規ペアで2日連続の起用となる可能性もあり、豪華なメンバーによる熱戦が期待される。ACT SAIKYOは初日に第1ダブルスの佐藤/田口が勝利したが、第2ダブルスの水津優衣/大澤陽奈は敗戦。再春館製薬所を相手に、第1、第2ダブルスを入れ替えて戦う可能性もあり、オーダー発表から注目される。

女子Sブロックは「北都銀行vsNTT東日本」のサバイバルマッチに注目

埼玉大会で行われる女子の北都銀行とNTT東日本の一戦は、大混戦が予想される女子Sブロックで上位を追う権利を争うサバイバルマッチになりそうだ。同ブロックは、連覇を狙うBIPROGYが充実の陣容を誇り、頭一つ抜けた存在。初日は3-0で山陰合同銀行を破り、強さを示した。初日に勝利を挙げた岐阜Bluvic(昨季まで丸杉バドミントン部として活動。今季からクラブチームに変わり、チーム名を変更)が2番手候補となりそうだが、このブロックは力量差のないチームがひしめいており、上位に食い込もうとする争いと、残留マッチを強いられる最下位を避けようとする争いが区別なく展開されそうだ。

北都銀行は、昨季4位で実績では上位候補だが、今夏2大会連続の五輪出場を果たした松本麻佑と永原和可那がペアを解消。松本は、第3戦の秋田大会後にチームを離れることが決まっており、大きな戦力ダウンを強いられる。松本の在籍中に勝利を重ねたいところだが、初日はレゾナックに1-2で敗れた。NTT東日本は、初日で岐阜Bluvicに0-3で敗戦。こちらも上位を追うには落とせない状況。第2日の対戦を落とした方は、早くも窮地に立たされることになる。

男子Sブロック「日立情報通信E vs 東海興業」は重要な一戦に

もう一つ、埼玉大会第2日で行われる男子Sブロックの日立情報通信エンジニアリングと、東海興業の一戦も重要度が上がった。NTT東日本とジェイテクトの2強が想定されたが、初日でジェイテクトが黒星。勝った東海興業は、2強に割り込む可能性が出てきた。第2日で3番手候補の日立情報通信Eを破れば、TOP4進出の可能性が大きく膨らむ。上位に食らいつける戦力を有する日立情報通信Eは、充実のダブルス陣を中心に連勝を飾って上位候補との対決に向かいたいところ。2強崩しの候補となる2チームの直接対決も目が離せない。

文:J SPORTS編集部

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