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東京代表の目黒学院と國學院久我山
11月に入り、全国の各地で「花園」こと、第104回全国高校ラグビー大会の各地区決勝が行われている。11月10日(日)、東京・秩父宮ラグビー場では、東京都花園予選第1地区、第2地区の決勝2試合が行われた。東京都の決勝の対戦カードは以下の通りとなった。
・第1地区決勝:目黒学院vs.成城学園
・第2地区決勝:國學院大學久我山vs.早稲田実業
第104回全国高等学校ラグビーフットボール大会
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東京都予選 第1地区決勝:目黒学院 vs. 成城学園/第2地区 決勝:國學院久我山 vs. 早稲田実業
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第1地区の決勝は5大会連続出場を狙う花園で5回優勝し、春の選抜ベスト8の目黒学院に成城学園がチャレンジした。
トライを挙げて喜ぶHO岩崎
試合序盤、成城学園がゴール前ディフェンスで粘りを見せて得点を許さなかった。しかし、今年は2度とも成城学園に勝利している目黒学院は、前半5分に自陣からアタックし、ブラインドサイドを突いたHO(フッカー)岩崎ヴィージェー純が、60mを走りきってトライ。FB(フルバック)中村理応(2年)がゴールを決めて、7点先制する。
その後、成城学園が攻める時間が続いたが、ディフェンス、接点を鍛えてきた目黒学院は、自陣22m内へのトライを許さなかった。すると25分、ペナルティから目黒学院は相手陣5mラインアウトのチャンスを得て、NO8からモールを押し込み、最後は高校日本代表候補NO8(ナンバーエイト)ブルースネオル・ロケティ(2年)が左隅にねじ込みトライ。14-0とした。
準決勝に続きハットトリックを達成した目黒学院NO8ロケティ
さらに28分、目黒学院は、SH(スクラムハーフ)渡邉幹太(2年)が裏にキックを蹴ると、しっかりチェイスしたNO8ロケティが相手にタックルし、自らボールを奪って右端にトライ。21-0としてハーフタイムを迎えた。
トライを挙げた成城学園のNO8染谷
後半、先に得点のチャンスを迎えたのはリードしていた目黒学院だった。後半2分、ゴール前のモールを起点に、PR(プロップ)岡田雅樂(3年)が押さえて26-0とするが、成城学園もラインアウトから反撃。5分にはSH黒尾洸太(3年)のパスに走り込んだキャプテンNO8染谷昌宏(3年)がトライを挙げて7点を返した。
しかし、目黒学院は落ち着いていた。直後の7分、キックオフのボールをキープすると、FW(フォワード)、BK(バックス)が一体となって攻め込み、最後はWTB(ウィング)竹本悟士(2年)が左隅にトライ。さらに11分、NO8ロケティが力強いランでハットトリックとなるトライを挙げて36-7として勝負を決めた。
5大会連続の花園出場を決めた目黒学院
その後、目黒学院は19分にHO岩崎がダメ押しとなる2本目のトライを挙げた。一方、成城学園は29分に、SO(スタンドオフ)井手晴太(3年)がトライを返して、そのままノーサイドを迎えた。目黒学院が45-12で快勝し、5大会連続23回目の花園出場を決めた。
目黒学院の竹内圭介監督は「選手たちには『楽しめ』と声を掛けた。勝利してホッとしている。こだわってきたブレイクダウン、ディフェンスの成果が出た試合」と安堵の表情を見せた。
目黒学院
キャプテンのSO石掛諒眞(3年)は「めちゃめちゃうれしい。今日勝てたことで同じ仲間たちと、まだラグビーができるのでうれしい。良いディフェンスができたら、ブレイクダウンを乗り越えるという自分たちの持ち味が出せた」。
「自分たちはディフェンスのチームなので、ディフェンスで圧倒して、その後、アタックで圧力をかけたい」と言えば、NO8ロケティは「ハットトリックできて、うれしい。花園では強い相手と戦って勝ちたい」と意気込んだ。
第104回全国高等学校ラグビーフットボール大会
【ハイライト】東京都予選 決勝 成城学園高校 vs. 目黒学院高校|目黒学院が5大会連続出場
第2地区決勝は、5度の花園優勝を誇る國學院大學久我山と早稲田実業の激突となった。両者は新人大会予選、春の関東大会予選で2度対戦しているが、國學院久我山が勝利している。
先制トライを挙げた久我山のFL水沢
試合は早稲田実業がディフェンスで身体を張り、なかなか相手にチャンスを作らせなかった。しかし、國學院久我山は強みのFWがスクラムを起点にボールを動かし、前半7分、最後はFL(フランカー)水沢洋太(3年)が回り込んで中央にトライ。FB(フルバック)加藤竜朗(3年)がゴールを決めて7点を先制した。
モールからトライを挙げる久我山のHO笠井
さらに後半17分、ラインアウトからモールを組み、15mを押し切ってHO笠井大志(3年)が右中間にトライを挙げ、14-0。さらに24分、ハイパントキックをキープしてボールを継続。SO松下亮介(3年)が左サイドに待つFB加藤へとキックパスを通して、加藤がトライし21-0とした。
27分、早稲田実業はラインアウトを起点に、キャプテンCTB(センター)山口滉太郎(3年)が、バックフリップパスを、WTB飯泉敢太(1年)に通して、飯泉がスピードを活かして右中間にトライを挙げて21-5と追い上げるが、國學院久我山は、前半終了間際、PG(ペナルティゴール)を決めて、24-5とリードして折り返した。
後半、先に得点を挙げたのはリードしていた國學院久我山だった。後半8分、FB加藤がPGを成功させて27-5。3トライ3ゴールでも追いつかない22点差に広げた。
トライを挙げた早稲田実業CTB園部
早く得点を挙げたい早稲田実業は16分、相手反則から攻め込み、最後はNO8佐藤一道(3年)のフラットパスを受けたCTB園部心大(3年)が右中間に押さえて27-10とした。
その後、互いに攻める時間帯もあったが、お互いのディフェンスが上回り、得点ボードは動かなかった。試合はそのまま國學院久我山が27-10で勝利し、2大会ぶり44度目の花園出場を決めた。
花園出場を決め、歓喜の久我山フィフティーン
國學院久我山の土屋謙太郎監督は「昨年出られなかったこともあって、この1年間、やってきたことが、今日は形で証明できた。素直にうれしい。後半のスコアに課題は残るが、1つの目標にしてきた試合なので、一区切りで一安心です。花園では真っ向勝負できるチームを作りたい」と話した。
キャプテンCTB齋藤航(3年)は「一番はホッとした。ディフェンスではタックルで刺さり続けて、アタックでは縦に強く、といったところを徹底したことが今日の結果につながった」。
國學院大學久我山
「昨年の11月12日に負けて、花園に出場できず悔しくて、今日この日のために1年間、やってきたといっても過言でない。花園では一番、身体が張れるようなキャプテンでいたい。相手を一発で倒すタックルや、チームとしてFWの強みを活かした久我山らしいラグビーをしたい」と先を見据えた。
ともに花園優勝5回を誇る目黒学院、國學院久我山の両校が優勝して、花園出場の切符を手にした。シード校に選出されることが濃厚の目黒学院、FWに強みがある國學院久我山の東京2校は残り1ヶ月半、さらにチーム力を底上げして全国大会に挑む!
文/写真:斉藤健仁
第104回全国高等学校ラグビーフットボール大会
【ハイライト】東京都予選 決勝 國學院大久我山高校 vs. 早稲田実業学校|久我山が2年ぶりの出場
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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