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ラグビー コラム 2024年10月25日

防御を軸に、さらに加速したい東洋大。関東学院大は全員で今季初勝利をつかみにいく。

ラグビーレポート by 田村一博
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開幕戦で大東大に20-26と敗れるも、その後、法大に52-43、流経大に27-24、東海大に33-26と勝って3連勝。
東洋大が調子を上げている。

10月27日にはセナリオハウスフィールド三郷で関東学院大と戦う。11時30分キックオフの同ゲームは、同じスタジアムで実施される関東大学リーグ戦1部の2試合のうちの第1試合。
14時キックオフで大東大×東海大もおこなわれる。

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今季開幕から4連敗中の関東学院大との対戦も、東洋大の福永昇三監督は、「大学日本一の経験もあるチームとの試合です。リスペクトの気持ちを持って、チャレンジャーとして戦いたい」と気を引き締める。

昨シーズンは開幕から3連勝と好スタートを切るも、中盤以降失速して4連敗で戦いを終えた。
同じ轍は踏まぬよう、今季は練習量を増やした。前年との違いはここから出る。

また、2年前のシーズンのことを上級生たちは忘れていない。
2022年度シーズンの開幕戦で東海大を破り、続く関東学院大戦にも勝ったチームは、勢いを得たはずだった。しかし第3戦で大東大に26-27と敗れた。
うまくいっている時ほど慎重に。3年生、4年生を中心に、そんな空気が部内にあるから、準備に怠りはない。

6連覇中の東海大を破った前戦(33-26/10月19日)は、ディフェンスで勝利を引き寄せた。防御に時間を割いた準備期間。「リンク」の合言葉のもと、選手同士が80分コネクトし続けて相手にプレッシャーをかけた。

つながり合う力があったのは、ピッチ上だけではなかった。
練習中から試合メンバーとメンバー外がひとつとなり、試合当日もプレーする選手たちと応援席の選手たちに一体感があった。
「そういった空気がチームを前進させてくれています」(福永監督)

関東学院大に挑むメンバーは、上級生と下級生のバランスがいい。指揮官は、「その時ベストの状態にあるメンバーで出場メンバーを決めています」と言う。
結果、毎週少しずつ布陣に変化がある。ポジション争いが激しくなっているからだ。

 

SO天羽進亮、CTB浅尾至音の城東(徳島)コンビがゲームをうまく進める。
FB坂本琥珀の走りは鋭く、相手ディフェンスをかき乱す。

FWではFLの森山海宇オスティンが攻守でモメンタムを生むプレーをする。
東海大戦でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選出された栗原大地は伸び盛り。試合を重ねるごとに強さは増し、気持ちも前へ出る。

1年生のSH生田旭は、さばきも良く、パスにスピードもある。体を張るプレーを見せて周囲からの信頼も得ている。
強気の性格も、チームを前に出す要素となっている。

関東学院大はなかなか勝利を手にすることはできていないが、春夏に走り込んだ成果は出ている。
多くのトライを挙げている試合があるのは、そのとき積み上げた土台が生きている。

 

東洋大戦でゲームキャプテンを務めるのは共同主将のひとり、FL由比藤聖だ。内川朝陽(FL)とのコンビで、学年に関係なく意見を言い合える空気を作っている。

FWではLOのティポアイールーテル ラリーがダイナミックに動き、NI8丸尾瞬が激しい攻守を見せる。
2人は倉敷高校の先輩、後輩だ。

BKではCTB茎沢光隆が強いディフェンスで信頼を得る。
この人を中心にディフェンス力を高め、失点を減らせば勝利も見えてくるだろう。

東洋大は、シーズン前から「勢いのあるチーム」と警戒していたチームだ。
一人ひとりの力はある。全員で勝利をつかみにいく。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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